宮里藍プロフィール
硬い土と強い風に挑み、世界に歩んだ日々
( Photo by (c)Tomo.Yun )(http://www.yunphoto.net)
宮里藍がゴルフクラブを持ち始めたのは4歳のとき。
「お兄ちゃんにくっついて、村営のグランドでクラブを振っていました。でも、身体が小さいからヨロヨロ。それでも飽きずに、毎日のように、グランドで楽しそうに練習していましたよ」
と語るのは、幼いころの宮里藍を知る村民。
その村営グランドは太平洋・平良湾に面したところにある。宮里藍の自宅から歩いて2、3分。
「土のグランドは、ゴルフに適しません。芝生の上なら、多少、スイングがずれても、大差ありませんが、硬い土はクッションがないから、ちょっとでもずれると、球筋が狂ってしまう。それだけシビアです。
しかも、あのグランドは、いつも太平洋からの強い風が吹いている。そんなグランドで藍ちゃんは、真っ暗になるまで打ち込んでいました」
またこんな話も。
「彼女が高校時代にグランドで練習しているところを見かけたんです。そのとき“お、藍ちゃんやっているな”と思って、声をかけようと思い、近づいていきましたが、あまりに眼差しが真剣で、近づくことさえはばかれるくらい。結局、引き返しましたが、あの集中力と気迫は、すごいものでした」
とは、中学校時代の教師。
現在でも、ゴルフの調子が狂うと、宮里藍はこの村に帰ってきて、赤土のグランドで、打ち込みをするという。この硬い赤土が、宮里藍の正確なショットを生み出す原点であるといえる。
彼女が生まれ育った東村。近くにゴルフ場や練習場があるわけでもない。環境に恵まれているわけではない。それどころか硬い土と強い風はゴルフには適さない。
そんな村で、彼女は、世界に向けて、まっすぐ歩んでいった。
1月4日、沖縄県東村の村役場ではひと足早く成人式が行われ、宮里藍があでやかな振り袖姿で出席した。
式場で、宮里はこう誓った。
「ゴルフを通じて世界に挑戦し、知性と教養を高め、小さな子供からお年寄りまで、感動を与えることができるプレイヤーになりたい」
宮里藍の故郷・東村──人口2000人にも満たない小さな村には、大勢の報道陣がつめかけ「藍ちゃん」コールが鳴り響いた。
インタビュー目次
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