有森裕子プロフィール
1966年 岡山県生まれ 1988年 日本体育大学を卒業後、(株)リクルートに入社 1992年 バルセロナ五輪で銀メダル 1996年 アトランタ五輪で銅メダル 1998年 NPO「ハート・オブ・ゴールド」設立 2002年 アスリートのマネジメント会社「ライツ」設立 現在、国連人口基金親善大使、日本陸連女性委員会特別委員などを務め、国際活動にも積極的に参加している その後、後輩の指導や講演など、様々な分野で活躍中!
好き嫌いの対処法
夫婦で協力してきた、有森家の子育て。その中で、広子さんが大切にしてきたものが食事だという。最近話題に上る食育がそこにはあった。
「食生活は人格を造ると信じていましたから、食事は必ず一緒にとる。いいものを食べるのではなく、一緒に食べることで、共に生きていくことを、知らず知らずのうちに子供に教えることができると考えました。
最近の子供を見ていると、好き嫌いをする人が非常に多いようですが、そんな子は性格も偏ってくるんと思うんです。食事は“人間らしさ”を作っていく大切な要素です。
もちろん裕子にも好き嫌いはありました。でも、それを工夫して食べさせるのは親です。野菜を小さく刻むとか、味付を変えてみるとか、親はそれを考えるのが仕事なんです。それをしないで、好きなものばかり食べさせるのは、何もしていないのと一緒ではないでしょうか」
広子さんは、自分が食事を作れないときも、子供が食事を取らないことや、買い食いで済ませることを許さなかったという。
「お金さえ渡せば大丈夫ということではありません。下手でもいいし、ラーメンでもいいから、食事を作らないといけないと教えてきました。誰かがいないと何も出来ないようではダメ。ちゃんと食事を取らないと、人間らしい心は育たないと思っていました」
家庭は小さな社会。その中で一番大切なこととは
人間らしさを養うために、もう一つ心がけていることが“家庭は小さな社会”ということ。社会にはルールがあり、家庭の中でも、しっかりそれを教えていくものだと広子さん。
「小さな社会ということで、一番気をつけたのは、挨拶でした。おはよう、ありがとう、ごめんなさい。これは、親子に関係なく行っていました」
徹底された言葉使い。それは、裕子さんが後に進学した日本体育大学での生活で、非常に役立ったという。
「厳しい上下関係の中で、初めて親の言っていたことの意味が分かったそうです。言葉は、その人の人格を表しますから、相手を馬鹿にするようなことは決していわないように心がけていました」と父・茂夫さんは語る。
家庭は小さな社会、生活のリズム、食事は人格を作る。この3つの柱が有森家を支えていた。
インタビュー目次
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