フランス料理シェフ・三國清三さんへのインタビュー#2:スクスクのっぽくん

プロに聞く! 三國清三プロフィール

1954年 北海道に生まれる 1969年 15歳で料理人を志し、札幌グランドホテルにて修業を始める。その後、帝国ホテルに移り、修業を続ける。 1974年 20歳でスイスの軍縮会議日本政府代表部大使付きの料理長に就任。ローザンヌの「ジラルデ」、ロアンヌの「トロワグロ」など、スイス、フランスなどの三ツ星レストランで修業を重ねる。 四ッ谷に「オテル・ドゥ・ミクニ」を開店。 ルレ・エ・シャトー協会の世界5大陸トップシェフに選ばれる。 九州・沖縄サミット福岡蔵相会合の総料理長を務める。 またこの頃から、味覚を通して子供の感性を育てる「KIDSシェフ教室」を開催。以降、食育の普及に力を注ぐ。

米飯給食の推進

子供たちの食を改善するために、今どのような動きがあるのでしょうか?

三國清三

「最近は農林水産省と文部科学省が米飯給食を推進しています。やっぱり日本人はお米だろう!ということで(笑)。
給食に最低週3回お米を出し、子供にいっぱい食べさせています。お米って不思議で、必ずおかずが必要になるんですよ。最低でもお味噌汁が必要だし、漬け物や焼き魚に焼きのりも食べたくなる。
そうすると発酵菌とミネラル、タンパク質などが取れる理想的なバランス食になります。給食で週3回、さらに土日も家で食べて最低週5回お米を食べるようになれば、みんな健康になりますよ。
それと自給率の問題から見ても、お米をたくさん食べれば国内生産率も上がる。お米を食べればいろいろな問題が改善されるんですよ」

たしかに日本の伝統食は世界からも注目を浴びていますよね。

三國清三

日本食の良さ

「最初に日本食の良さに気づいたのは日本人じゃなくて欧米の人なんです。
よく海外の料理人に頼まれて築地に連れていくんだけど、昔はみんな包丁を買っていたのが、最近は昆布やかつおぶしとカンナ削りを買って帰る。それでダシをとっているんだって。
日本食が世界的なブームになっているんですね。ダシのうま味は昆布のグルタミン酸やかつお節のイノシン酸、しいたけのグアニル酸などがありますが、面白いことに、グルタミン酸とイノシン酸を一緒にすると、その効果が8倍にも増すんです。だから昆布とかつおでダシをとって、しいたけを入れればそのうま味は倍々になって増える。
昔の日本人はそうやって食事にバリエーションを持たせて栄養をとってきたんですよね。日本食の栄養バランスは実によくできています」

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