立川談春プロフィール
1967年6月27日、東京都で生まれる。中学時代は競艇選手を夢見るものの、選手の応募条件を超える身長に達してしまい断念。高校時代に落語をはじめ、17歳で高校を中退、立川談志に入門する。新聞配達をしながらの過酷な前座生活を経て、1988年に二つ目、1997年に真打へ昇進。現在は「最もチケットがとれにくい落語家」と呼ばれている。2008年には扶桑社よりエッセイ「赤めだか」を刊行。同書がベストセラーとなり、08年の講談社エッセイ賞を受賞したことは記憶に新しい。
弟子を取って初めて知った師匠の想い
- のっぽくん
- 一方、その談志師匠と談春さんの関係はどうだったのでしょうか?
- 立川さん
- 「自分が弟子を取るようになってね、談志がどれだけ我慢して、許して、愛してくれたのかがわかるようになった。
「子を持って知る親のありがたみ」って、今その真ん真ん中の心境ですね。」 - のっぽくん
- お弟子さんを育てるのはやはり大変ですか?
- 立川さん
- 「そりゃ大変ですよ。良いのが育てば自分のライバルを作ってるようなものだし、メリットなんてひとつも無い。なんでそんなことをするのかと聞かれれば、自分もそうやって育てられたからとしか言いようがない。
私もあのとき談志が弟子に取ってくれなければ、今日の自分はいないわけで。今が幸せかどうかは別にして、いや、自分でこれが幸せだって決めたからいいんですけど(笑)。教わったことを後に伝えていかなきゃいけない義務があるから、育てるんだね。 伝統芸能の場合は特に、教わるときにその人の自我が邪魔になる。
例えば、「いろはにほへと」とお手本を渡して、同じように書いてこいと言う。それで書いてきたものが、お手本と似ているやつは、芸質(げいだち)がいいといういうんですが、そうやって真似させるときには、赤ん坊みたいに、自我のない状況におきたいんです。
でも10代、20代、下手したら脱サラしてやってくる30代の大人の彼らには経験があって、プライドがある。だからそれを徹底的に叩き壊すわけですよ。世間からすれば、奴隷を作っているようにしか見えないかもしれない。
かといって、従順じゃなければ覚えられないけど、従順なだけの弟子でもダメ。最終的には教わったことを全部忘れて、自分のものを作ってかなきゃいけない。それを守破離(しゅはり)と言います。守破離のためには個性も必要なので、そこが難しいところですね。」
インタビュー目次
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