思春期が来ると身長が伸びない?成長スピードに差が出る?
思春期と身長の関係
思春期と身長は密接に関わっています。
思春期は体が子どもから大人に変化する大切な時期で、男の子なら睾丸が発達し、筋肉が大きくなり、女の子なら胸が膨らみ、月経が始まります。それらの成長のなかで一番顕著なのが、身長の伸びです。一生つきまとう問題だからこそ、思春期の成長要素で一番気にされる方が多いのが身長ではないでしょうか。
身長の伸びには遺伝、栄養素、ストレスの3つがとても密接に関わっています。
遺伝
例外はありますが、両親に近い身長に成長する子どもが大部分を占めています。
栄養素
栄養をたくさん取りすぎると、思春期の引き金になることがあります。思春期が早く始まってしまうことについての問題は、下の項目で説明します。
ストレス
ストレスは身長の伸びを短くすることが報告されています。また家庭環境のストレスが大きいと、子どもは早く成長しようと思い、思春期の早発を引き起こすことがわかっています。
思春期に身長はどのくらい伸びる?
思春期が始まると身長が男子で25センチ前後、女子で22センチ前後平均して伸びます。
だいたいこの数値の身長の伸びが見られたら、そこで思春期は終了になるという目安にすることもできます。
思春期が早く来てしまうとどうなる?
思春期で成長する身長は例外がありますが上に挙げたようにほぼ決まっています。つまり思春期が始まったときの身長が、今後の身長に大きく関わっているのです。
早く思春期が始まってしまったら、体が育っていない身長が短い状態からのスタートなので、最終身長が低くなってしまいます。逆に思春期が遅めに始まれば最終身長は高くなることが考えられます。
思春期が早く始まると、将来低身長のままになってしまう可能性があるのです。
身長を伸ばすためにこの時期に取るべき栄養は?
思春期で身長を伸ばしたいのなら、思春期をできるだけ遅めにずらすことが有効です。
そんなことができるのかと思われがちですが、摂取する栄養量を適度にコントロールすることで、多少遅らせることができます。
栄養の摂りすぎで太っている子どもは、早くに思春期が始まり、結果小さな頃はその中では高身長ですが、思春期が終わってみると平均より低くなってしまうということがよく見られます。過剰なカロリー摂取を避けることは身長を伸ばす上で大切なのです。
身長を伸ばす栄養素の代表はカルシウムと言われていますが、実はこれだけだと骨が丈夫になるだけで身長は伸びにくいのです。カルシウムに加え、コラーゲンを摂取することが身長を伸ばすのにとても有効です。
あとは何よりタンパク質が大切です。タンパク質は体のほとんどの器官の元となる成長に欠かせない栄養素です。
栄養素を多く含む食材
コラーゲン・・・豚肉、牛肉、シャケ、ゼラチン
カルシウム・・・牛乳製品、大豆食品
タンパク質・・・牛肉、鶏肉、魚、チーズ、大豆製品
医師、医学アドバイザー 橋本佳子プロフィール
久留米大学医学部卒業、内分泌代謝内科学講座入局。幼少期に母親がI型糖尿病を発症。父親とともに長年に渡る闘病生活を支え続けた経験から、心と体の繋がりについて深く学び、医学的な治療方法だけでなく、心との向き合い方について幅広い視点からアドバイスを行っている。 【経歴】:医療法人水聖会メディカルスキャニング浜松町にて院長を務めたのち、東京医科大学病院にて糖尿病内科医として勤務。現在は、ピュアライフメディカルクリニックにて治療に携わっている。