思春期の女の子に気をつけてほしい無月経のはなし
「最近生理こないなあ…」という女の子はいませんか?
“生理は月に1回程度”と習ったはずなのに、私は違うのかな… こないほうが楽だからまいっか!
もし、こんな考えの女の子がいたら要注意‼ 恐いことが体の中で起こっているかもしれませんよ。
今回は、思春期に生理がこない無月経についてお伝えします。
生理はこないほうがいい?
初潮を迎えたあとは、しばらく不規則な生理が続きます。体が整ったところで本来の周期で生理がくるようになります。
安定したようにみえる生理周期ですが、思春期の女の子にはあるときから生理がパタリとこなくなることがあります。
「修学旅行や合宿で生理がきたら嫌だ」「友達とプールに行くから生理がこなくていいや」と思う女の子は多いかもしれません。
確かに生理がくると、トイレの度に対応が必要ですし、衣類やお風呂をはじめ何かと気になるものです。
しかし“生理がこない”は体のSOS。時に心にも影響する大きな問題なのです。
平均年齢、生理がくるための発育条件(身長、体重)
思春期になると、女性ホルモンが増えて、体も大人の女性へと変わっていきます。初めて生理がくる初潮は、だいたい中学生前後になりますが、これは様々な条件がそろうためです。
日本産婦人科学会の調査では、初潮のときの体格は次のようになっています。
◆平均年齢:12歳
◆平均体重:42.9㎏
◆平均身長:152㎝
あくまでも平均の数字なので個人差はありますが、小学6年生以降から、身長が伸びて150㎝あたりになってきたら、そろそろだと準備しておきましょう。
無月経と病気の可能性
“無月経”とは、文字通り月経が無いこと、生理がこないことです。
思春期の女の子はストレスが多い傾向になるため、精神面から月経がとまるということもあります。また、生活習慣が不規則なために起こる場合もあります。
心と体のバランスがとても大事になりますが、一般的には、無月経は大きく次の2つに分類されます。
◆原発性無月経
【状態】 18歳を過ぎたのに初潮がこないもの(=一度も生理になったことがないもの)
【病気の可能性】 月経の開始は脳が指令を出しています。月経がはじまらない場合は、視床下部や下垂体の機能に異常がある可能性があります。また、染色体異常も考えられ、ターナー症候群(通常2本ある染色体が1本しかない)、子宮や卵管といった生殖器が未発達のままになる先天異常もあります。卵巣や甲状腺などの機能異常も原因になります。
◆続発性無月経
【状態】 月経が3カ月以上止まってしまったもの(=それまであった生理がなくなったもの)
【病気の可能性】 一度あった月経が止まってしまう場合は、視床下部、下垂体、甲状腺、卵巣、生殖器の異常などによって起こります。このような機能異常は、腫瘍や免疫に問題があったり、抗精神病薬、抗うつ薬などの薬剤を使っていることが原因の場合もあります。ホルモンの異常や、多嚢胞性卵巣症候群でも無月経になりがちです。また、病気とまではいかなくても、ホルモンバランスの崩れによっても月経が止まることがあります。ホルモンバランスは、偏った食生活や睡眠不足でも乱れますので注意が必要です。
無月経の状態は望ましくありません。そのままにしておくだけで骨密度が低下し骨がもろくなるという恐い話もあります。
生理がこないから楽だと放置しておくと、思わぬ病気が進行しているかもしれません。無月経は体の静かなSOSです。上記のような状態がある場合は、医療機関を受診するようにしましょう。
体づくりは今から
思春期のダイエットの危険性!「太る」のは本当に問題なの?の記事でもお伝えしましたが、無月経は「骨密度低下」の原因にもつながります。
成長期にしか高めることのできない骨密度を高められず、骨がスカスカになってしまっては将来の体に影響が出てしまいます。
思春期の今から、体の仕組み、月経のメカニズムと役割を理解することは大変重要です。この記事をみている女の子は意識が高いといえます。
中には、自分の月経に異常があってドキドキして記事を見ている人もいるかもしれません。受験や友達関係などに悩みをもっていたり、プレッシャーを感じている人もいるでしょう。ダイエットや不規則な生活で疲れている人もいると思います。
思春期の女の子の生活は、たくさんのストレスにさらされています。忙しくて生活も乱れがちになります。でも、体の成長は待ってはくれません。成長期は今しかないのです。 みなさんの体は着実に大人の女性になっているのです。
将来、来るべき時に健康体でいられるように、妊娠・出産ができるように、今のうちから規則正しい生活を心がけましょう!
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医師、医学アドバイザー 橋本佳子プロフィール
久留米大学医学部卒業、内分泌代謝内科学講座入局。幼少期に母親がI型糖尿病を発症。父親とともに長年に渡る闘病生活を支え続けた経験から、心と体の繋がりについて深く学び、医学的な治療方法だけでなく、心との向き合い方について幅広い視点からアドバイスを行っている。 【経歴】:医療法人水聖会メディカルスキャニング浜松町にて院長を務めたのち、東京医科大学病院にて糖尿病内科医として勤務。現在は、ピュアライフメディカルクリニックにて治療に携わっている。