思春期(成長期)の女の子が気になる、胸の成長・発達のこと。いつまで続く?
目次
思春期は、生まれながらにもっている男女の違いとは異なる、成長に伴い発生する性器以外の体の各部位の変化が起こる「第二次性徴期」が訪れる年齢です。
身体が大人へと変化する過程において、だんだんと他人と自分を比較するようになるのもこの年齢の特徴。特に女の子は、胸の成長が気になり始める子も多くいるのではないでしょうか。
そこで、胸の成長はどのように起こるのかについて詳しく解説していきます。
胸が大きくなるってどういうこと?胸が成長する仕組み
思春期を迎えた女の子は、子供の体から大人の体に変化するため胸の発達が見られます。すべての女の子が同じだけ胸を発達させるわけではなく、胸の成長には個人差が多く見られます。
胸が成長する仕組み
胸の成分は九割が脂肪で、残りの一割が乳腺と言われています。ほとんどが脂肪なのですね。乳腺があれば、その9倍の脂肪が周りにくっつくことによって胸が成長します。つまり胸を成長させるためには乳腺をいかに増やすかが重要です。
女性ホルモンは2種類に大きく分けることができます。「エストロゲン」と「プロゲステロン」です。どちらのホルモンも胸の成長に重要な働きをするのですが、「プロゲステロン」は妊娠出産時に大きく作用するものなので、胸の成長だけをみると重要なのは「エストロゲン」と言えます。
成長の過程
乳頭が膨らみ始める
始めに乳頭が膨らみ、さらに成長すると胸内部の組織が発達し大きくなります。
内部組織が成長する
女性ホルモンの一種、エストロゲンの指令により乳腺が作り出されます。乳腺の発達によって胸が膨らみ始め、その周りに脂肪がつくことで胸が大きく膨らんでいきます。この時期には胸の中にコリコリとしたしこりが見られることがありますが、成長によるものなので心配しないでください。胸の形は乳頭を先端にもつ円錐型です。
さらに成長が進む
発達した乳腺の周りに脂肪がしっかりとつき、丸く大人らしい胸の形になります。
乳腺が多ければ多いほどその周りにたくさん脂肪がつき大きく成長するので、胸の発達は乳腺の発達と言い換えることができます。
胸が成長する時期・年齢はいつ?いつまで続く?
胸が成長し始めるのは初潮の1年ほど前から始まります。合計3〜4年ほどかけ大人の胸に成長します。
初潮の平均年齢は10〜15歳と言われているので、胸が成長する期間は9〜14歳から13〜17歳ごろまでとなります。
思春期を過ぎれば胸は成長しないのか?といえば、そうではありません。胸の成長には女性ホルモンが大きく関わっています。そのため女性ホルモンを増加することができれば、思春期を過ぎても胸を成長させることは可能です。
ただし、女性ホルモンのピークは20歳なので、年齢を重ねるほど胸を大きく成長させることは難しくなります。
大学生になってから1カップ大きくなった、30歳過ぎてからカップが上がった、と言う声もあるようなので、一概に何歳までで胸の成長がストップするということは言えないようです。
またバストアップという面だけに注目すれば、マッサージや筋力トレーニングによって成功する事例が多く存在します。胸を大きくする女性ホルモンのエストロゲンは、よく眠ったり、恋をしたり、楽しいことをすると良く分泌されます。人生を楽しく過ごすこともバストアップにつながるのです。
胸が張ったり、痛くなるのは大きく成長するタイミング?
思春期、成長期に胸がチクチク、ジンジンと痛むことがあります。この痛みは胸の成長期の3〜4年もの間続くことがあれば、数ヶ月だけのものなどと様々です。痛みを感じると病気かもしれないと不安になりますが、この時期の胸の痛みのほとんどは胸の成長痛と考えて良いでしょう。
また胸の成長期には胸の中に(特に乳輪の周辺)しこりを感じることがあります。それは胸の成長のなかで自然にできて自然になくなるのですが、ごくごく稀に病気の可能性があります。心配で心を悩ますのなら、一度医者の診断を受けることをお勧めします。
胸が成長しない・・・原因は?
胸が成長しない原因は、病気と、生活習慣の乱れの2つに考えることができます。世間では胸が成長しないことは病気と関係ないという人がいますが、それは間違いです。病気が原因で胸が成長しないことは大いにありますので、心配な場合は医者の診断を受けることをお勧めします。
病気の場合
内分泌系の病気
内分泌とはホルモンを指します。思春期はホルモンが盛んに分泌されることで体を大人のものに変化させますが、稀に病気によってホルモンが正常に分泌されない場合があります。
その場合、胸だけでなくお尻が膨らまない、肌が柔らかくなめらかにならないなど、思春期で大人のものに変わるはずの多くのものが子供のままになっている場合が多く見られます。
内分泌科にて検査が可能なので、心配の場合は速やかに受診することをお勧めします。
漏斗胸(ろうときょう)
胸は本来なだらかにふくらみ、丘のようになっていますが、漏斗胸では逆に背中側に沈み込み、水をかければみぞおちのあたりに溜まるように、胸がへこんでいる状態です。
漏斗胸の原因はよくわかっていませんが、胸の骨がへこんでいるためそれに付随して胸自体の成長が悪くなる場合があります。漏斗胸は外科手術で治すことが可能です。
生活習慣の乱れの場合
体全体を大人に変え、胸を成長させるためにはホルモンが大切です。そのホルモンは生活の乱れに大きく影響を受けます。ストレス、栄養の偏り、睡眠不足が原因でホルモンバランスが崩れ、胸の成長に影響を与えることは大いにありえます。健康に胸を成長させるためには規則正しい生活を心がけましょう。
胸を成長させる食べ物・栄養素
胸を成長させるには女性ホルモンが欠かせません。女性ホルモンを活性化させる成分と栄養素は以下の通りです。
ビタミンE
:女性ホルモンに似た働きをします。 うなぎ、アボカド、アーモンド
たんぱく質
:体の元になり、さらにホルモン分泌を促します。 チーズ、肉類全般、大豆製品
ホウ素
:女性ホルモンの分泌の助けをします。 キャベツ、レーズン、はちみつ
ただし、それだけを過剰に摂取することはかえって栄養バランスを崩してしまう要因になります。
日々のバランスの良い食生活のなかで、女性ホルモンを活性化させる栄養素を意識して摂っていきましょう。
イソフラボンは女性ホルモンに作用しない?
女性ホルモンを活性化させる栄養素といわれている、「イソフラボン」。
女性ホルモンと似た構造をしているためそのように言われていますが、実は、単純にイソフラボンを摂取したからといって女性ホルモンが活性化されるわけではないことがわかっています。
イソフラボンが女性ホルモンの活性化に影響するためには、イソフラボンが腸内で「エクオール」という成分に変化する必要があります。そのためには、腸内に「エクオール産生菌」という腸内細菌がいることが絶対条件です。
しかしながら、腸内に「エクオール産生菌」がいる人は日本人では約50%〜60%といわれています。
つまり、「イソフラボン」をとって女性ホルモンの活性化に繋がるのは、約半数の確率となるわけです。
ただし、「イソフラボン」を多く含む大豆製品は、良質なタンパク源となります。栄養バランスは身体をつくるうえで欠かせませんので、健やかな成長のためにも積極的に摂取していくことをおすすめします。