初潮-初めて生理を迎える女の子に知ってほしい10のこと
目次
“初潮”とは、はじめて生理(月経)がくることです。最近の学校では、性教育の授業が充実しているので聞いたことがあると思います。
生理がくるということは、いよいよ体が大人の女性の準備を始めたということです。嬉しい、楽しみ!という女の子もいれば、嫌だ、恥ずかしいという人もいます。
今回は、初めて生理を迎える女の子に知ってほしい10のことをお伝えします。
初潮はどんな意味があるの?
初潮は初めての生理のことです。大人の女性に一歩近づいたということで、以前は赤飯を炊いてお祝いすることもありました。
初潮は脳から信号が送られ、視床下部、下垂体、卵巣へと信号が伝達され、女性ホルモンが分泌されてはじまります。体の機能としては、卵巣や子宮が育ち、赤ちゃんが産めるようになる準備を進めていますよというサインになります。
初潮の平均年齢は?時期は?
だいたい中学生前後で初潮がくることが多いですが、これは様々な身体的な条件がそろうためです。日本の女の子の平均的な初潮開始は次のようになっています。
◆平均年齢:12歳
◆平均体重:42.9㎏
◆平均身長:152㎝
小学6年生以降から、身長が伸びて150㎝あたりになってきたら、そろそろです。あくまでも平均の数字なので個人差はありますよ。
初潮前後に見られる体の変化
一般的に、初潮を迎える女の子の体は次のように変化し始めている傾向にあります。
・身長が急に伸びる
・胸(乳房)がふくらんでくる
・陰毛やわき毛が生え始める
・皮下脂肪が増え、体が丸みを帯びてくる
・ニキビや吹き出物が出てくる
初潮が始まる前兆や兆候はあるの?
いよいよ初潮が始まるかな…という場合は、次の兆候が表れることが多いようです。
下着に“おりもの”がつくようになる
“おりもの”とは、膣(ちつ)から出される分泌物です。少しネバネバしていて、色は透明なもの、黄色っぽいもの、白っぽいものとそれぞれです。“おりもの”がショーツにつくようにつくようになると、もうすぐ生理が始まるサインとなります。
頭痛や腹痛、だるさがでる
原因がわからないけど頭痛がする、下腹部が痛い、ダルさが続く…ということも初潮の兆候です。
これらのサインは全員の女の子にあるわけではありませんが、いつもと違うなと感じたら、念のためにナプキンを持参するなど対策をしておきましょう。
初潮の症状
生理といえば“赤い血が出る”という認識の女の子は多いですよね。
しかし、初潮で確認された血の色は違うのです。 実際は最も多いのが“茶色”です。下着についているのを発見することが多いようです。量は下着につく程度という人が多く、少量のケースが大半なのでモレたりする心配は必要ありません。
初潮は、血の量(経血量)は少ないものの、少し長めに続くことがあります。だいたい4日~8日で出血が止まったという女の子が多いです。
出血が14日以上ダラダラと続くようでしたら、医療機関を受診して診てもらうようにしましょう。
初潮の後は定期的に生理がくる?
生理は“月のもの”つまり、ひと月に1回くると認識されていますが、初潮の後は例外です。しばらくの間は生理周期は安定しませんし、無排卵出血(排卵しない)となる場合が多いです。
初潮を迎えてから1~5年ほど経つと生理周期が安定してきます。排卵が安定するのは個人差があります。
初潮がくると身長が伸びなくなる!?
“初潮がくると身長が伸びなくなる”と言われます。実際は、そんなことはなく、個人差はあるものの初潮後も身長は伸びます。
ただ、こう言われる理由もあります。
女の子の身長が伸びるピークは初潮の前あたりなのです。初潮まではグングン伸長が伸びて、初潮を迎えたら伸びが急激になくなったというのはこのためです。
体の成長、身長が伸びるために大切なことは、ダイエットなど無理な体重制限を行わないことです。丈夫な骨をつくるためにも、カルシウムを積極的にとるなどして規則正しく生活し、栄養をしっかり摂りましょう。
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初潮が早い・初潮がこないのは心配!?
9歳以下で初潮を迎えることを“早発月経”といいます。また、18歳になっても生理がこないことを“原発性無月経”といいます。いずれも通常の初潮よりも早すぎる、または遅すぎるという問題があり、婦人科系の病名がついています。
初潮は脳が指令を出しています。通常の時期に始まらない場合は、視床下部や下垂体、卵巣や甲状腺などの機能に異常がある可能性があります。
また、子宮や卵管といった生殖器が未発達のままになる先天異常もありますので、医療機関を受診しましょう。
病気の可能性は?こんな症状なら病院へ
初潮前後で、次のような状態になった場合は積極的に医療機関を受診しましょう。
・初潮が9歳以下で始まった
・18歳になったのに初潮がこない
・初潮が14日以上続いている
・次の生理が8ヶ月以上こない
・生理周期が20日以内のことが続く
・生理に伴う痛みが耐え難い(頭痛や腹痛など)
初潮を迎えるために準備しておくこと
ある日突然初潮を迎えると、少し不安になってしまうものです。いざという時のために、前もって準備しておきましょう。
物の準備
・生理用ナプキン:まずは昼用のものがあれば十分です
・ナプキンを入れるポーチ:ナプキンが4~5枚程度入るものがよいでしょう
・生理用ショーツ:2~3枚は用意します
・手帳(カレンダー):月経の記録に使います
物の準備も必要ですが、心の準備も大事です。 学校で教わった性教育の授業を振り返ったり、お母さんや先輩、友達と話してみるのもよいアイデアです。人に話すのはちょっと…という場合は、情報サイトを確認するのも効果的です。
初潮は大人になるために誰もが通る道、怖いことはありません。どうぞ楽しみに待っていてくださいね!
医師、医学アドバイザー 橋本佳子プロフィール
久留米大学医学部卒業、内分泌代謝内科学講座入局。幼少期に母親がI型糖尿病を発症。父親とともに長年に渡る闘病生活を支え続けた経験から、心と体の繋がりについて深く学び、医学的な治療方法だけでなく、心との向き合い方について幅広い視点からアドバイスを行っている。 【経歴】:医療法人水聖会メディカルスキャニング浜松町にて院長を務めたのち、東京医科大学病院にて糖尿病内科医として勤務。現在は、ピュアライフメディカルクリニックにて治療に携わっている。