思春期(第二次性徴期)、成長期の男の子の体の変化
第二次性徴と第一次性徴
性徴とは言い換えれば性の特徴、つまり性別ごとの体の違いのことを言います。
第一次性徴は、男の子なら陰嚢や陰茎、女の子なら子宮や卵巣といった、赤ちゃんが生まれた時点で既にわかる男女の違いのことを言います。
第二次性徴とは、生まれながらにもっている男女の違いとは違う、成長に伴い発生する性器以外の体の各部位の変化のことを言います。
また、思春期の定義は医学的に定められていて、第二次性徴の始まりからその終了までを言います。
第二次性徴とホルモンの関係
ホルモンは体の各部位に働きかけ、決まった細胞を活性化させる物質です。現在50種類以上あり、様々な体の仕組みに関わっています。 性ホルモンが発生することによって、体を大人のものへと成長させる第二次性徴期が始まります。
思春期になると脳にある視床下部からゴナドトロピンという性腺刺激ホルモン放出ホルモンが作り出され、脳の下の方にある器官、下垂体に働きかけることによって性腺刺激ホルモンが生成され放出されます。
性腺刺激ホルモンが男の子なら精巣、女の子なら卵巣に働きかけることによって、性ホルモンを発生させます。
各性ホルモンは身体中に運ばれて男性的、女性的に体を成長させる第二次性徴を発生させます。
性ホルモンには男性ホルモン、女性ホルモンと名前が付いていますが、男性でも女性ホルモンを持ちますし、女性でも男性ホルモンを持っています。各ホルモンはそれぞれ違う働きをします。
男性ホルモン
・皮脂の分泌を促す
・体毛の発生をうながす
・性欲を高める
・男性らしい筋肉質な体の形にする
女性ホルモン
・妊娠や生理をコントロールする
・記憶力を保つ
・食欲を抑制する
・髪や肌を美しく保つ
・女性らしい丸みをおびた体の形にする
この性ホルモンが男女の体の違いをはっきりとさせます。
第二次性徴期には性ホルモンが活発に生成されるため、ホルモンバランスが崩れやすくなっています。
ホルモンバランスが崩れると肌荒れなどの身体的な症状と、気分の起伏が激しくなるといった精神的な症状が出ることがあります。
第二次性徴期つまり思春期は心の成長の時間でもあるので、ホルモンバランスの崩れと相まって心が不安定になることがたびたび見られます。
思春期の終わり頃にはホルモンバランスが落ち着き、心の成長もある程度まで進むことによって、それらの症状は自然と解消されることが多いです。
男の子の具体的な体の変化について
思春期、体の変化の始まりは人それぞればらつきがあり、明確にいつから始まるかということはわかりません。平均的に見ると男の子の場合は9歳半〜11歳に始まり約5年間続きます。
そして体の成長には決まった順番があり、個人差はありますが睾丸の発達、陰毛の発生、精通、声変わり、体型の変化という順番をたどっていきます。
→ペニス、睾丸(こうがん)が大きくなる。
第二次性徴期一番初めに訪れるのがペニス、睾丸の成長です。周りの男の子と比べたり、思い悩む子がいるかもしれませんが、顔や性格と同じように大きさや形はひとそれぞれです。全く気にする必要はありません。
また、日本人の7割は包茎と言われています。こちらもほとんどの場合は心配ありませんが、包茎はペニスと包皮の間に汚れが溜まりやすく、そこから感染症を引き起こす可能性があるので、お風呂でちゃんと洗うように気をつけて。何か気になる症状が出てきた場合は、泌尿器科へ相談しましょう。
→性毛(陰毛)、体毛(わき毛、すね毛、胸毛、ひげ)が生えてくる。
ペニス、睾丸が大きくなり始めて1年ほどで陰毛が生えだします。陰部を中心に毛が発生し、腕や脛、脇に広がっていきます。はじめは細くまっすぐとした毛が生えますが、成長とともに太くねじれた毛に変化していきます。
男の子の毛は女の子のものと比べ、太くて硬いことが多いのですが、それには男性ホルモンが大きく関わっています。男性ホルモンは体毛の発生、皮脂の分泌を促します。また、皮脂は毛穴を広げることによって、生えてくる毛を太く成長させます。
→精通(初めての射精)が起こる。
早い子で10歳、遅い子で18歳と幅がありますが、精通は一つの成長のしるしなります。精子を作り子孫を残せるようになったのです。
この頃の男の子は性ホルモンが盛んに分泌されていて、頻繁に性的なことに興味を持ちます。
また自分の意識とは反して、寝ている間に射精が起こる夢精が見られます。大人にとって夢精は普通のことでも、子供にとっては恥ずかしかしく、未知の恐怖になりえる場合があり大きなストレスになります。夢精をしていたら親は何も言わずに、しっかりと洗濯して元どおりにしておくのがいいでしょう。
→のどぼとけが出てきて、声変わりする。
だいたい12〜13歳頃に始まり、男の子はおおむね1オクターブ音域が下がります。小さい頃は頭の周辺筋肉をメインに使って発声していますが、筋肉や骨格の成長により、発声に胸の周辺筋肉を使うように変化します。
幼い頃のままの発声方法では声が裏返ったり、うまく話せなくなったりするので大人の発声方法に変化するのですが、個人差があるため大人になっても発声方法が変わらず声があまり低くならない場合があります。
この頃に大きな声を頻繁に出すことによって喉に負荷をかけると、将来声がかすれ、雑音が混じったようになってしまうことがあります。
→筋肉や骨格が発達し、からだつきががっちりしてくる。
それまでの平面的で柔らかな幼児の体から、筋肉、骨格が発達したゴツゴツとした硬い体つきに変化していきます。顔面にも変化は現れ、眉のあたりとほほ骨、顎骨が発達することによって顔の彫りが女性よりも深くなる傾向があります。
身長が一番顕著に変化し、その成長速度はとても早いですが、ストレスや栄養不足によって成長が阻害されることがあります。
健康で身長を少しでも伸ばしたい場合は良い栄養と睡眠をとること、そしてストレスの少ない生活を心がけることが大切です。
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思春期を迎えてからの身長の伸びについて
生まれてから1年で急激に成長し、4歳までにだいたい100センチ前後の身長になります。それから思春期に入るまでは年間5〜7センチほどのペースで成長し、10歳前後の時点で年間約5センチと一度身長の伸びが悪くなります。
一度伸びが悪くなってから思春期に入り再び成長が始まるので、思春期の成長は急激な印象になります。
男の子の思春期自体は平均して5年ほど続き、だいたい11歳頃から始まります。
思春期と身長の関係については、こちらの記事も参考にしてください。
個人差がありますが、最初の2年ほどは年間8〜10センチのペースで急激に身長が伸び続け、その後の3年間は徐々に伸び幅が減っていきます。
つまり11歳で思春期を迎えれば5年後の16歳の時には身長の伸びはだいたい終了します。
思春期全体での平均的な身長の伸びは25センチ程度とされています。
女の子の思春期全体の伸びは22センチと、男の子のものと比べるとわずかな差のように思えますが、男の子は女の子よりも1年ほど遅くに成長を始めるため、伸び始めの身長が高くなります。
同じ期間の思春期を過ごしたとしても、結果として女の子とは平均して10センチ以上も差が出ることになります。