思春期ニキビの原因は食べ物?ニキビ跡の治し方は?
思春期ニキビはなぜできる?
思春期になると、それまでとなんら変わった生活をしていないとしても、ニキビがたくさんできてしまうことがあります。
このニキビは思春期ニキビと言われ、普通のニキビとは若干少々性質の違うものになります。思春期は体を子供のものから大人のものへと成長させる大切な時期ですが、この思春期がニキビを発生させる原因になってしまうのです。
思春期は体を大人のものへと成長させます。女の子なら胸が膨らみ、月経が始まります。男の子ならば体が筋肉質になったり、声変わりをしたりします。そのすべての変化の指令を出している大切な物質が、成長ホルモンです。まず体内で成長ホルモンが作り出され、体の各部位に働きかけをすることによって成長させるのです。
この成長ホルモン、生きていく上でとても大切なのですが、実はすこし悪い働きもしてしまうのです。成長ホルモンが出始めると、それに伴い、男性ホルモンも生成されます。これは男の子でも、女の子でも同じです。
ニキビができる大きな原因の一つに、皮脂の過剰分泌があります。皮脂が必要以上に分泌されることによって、毛穴の中に溜まってつまらせてしまうのです。この毛穴の詰まった状態がニキビなのです。
実は男性ホルモンは、皮脂の過剰分泌を促してしまう作用があります。毛穴の中にある皮脂を作る部位が、男性ホルモンに刺激され、その刺激を外敵からのものと勘違いして皮脂を過剰に作り出してしまうのです。
思春期には男性ホルモンが大量に分泌されるため、それに伴い皮脂が過剰に分泌され、ニキビの原因になってしまうのですね。
部位別!思春期ニキビの原因
ニキビができる部位は、おでこ、頬、口周り、フェイスラインの4つに分けることができます。
おでこ
おでこから鼻筋にかけての部位をTゾーンと呼びます。このTゾーンには毛穴がなんと他の部位の約7倍もあるため、皮脂が多く分泌されていて思春期ニキビが最もできやすい場所とされています。
その原因には皮脂の過剰分泌だけでなく、おでこにかかる前髪によって肌が刺激され、炎症を起こして雑菌が入りやすくなるということが挙げられます。
頬
頬はおでこに比べると皮脂の分泌が穏やかですが、顔の中で一番でっぱっている部位ということがあり、日光などの外部からの刺激を受けやすいのです。
さらに注意しなければいけないのが、頬杖をつくことです。頬杖をつくと、手のひらは頬に強くこすりつけられることになります。手は体で最も汚れている部位の一つです。頬杖をつくということは、肌に刺激を与えつつ雑菌を擦り込むという大変なことになってしまうのですね。
口周り
口周りのニキビは、胃腸環境に左右されていることがわかっています。胃腸環境にストレスになる油が多い食事や、暴飲暴食などをすると、口周りのニキビを発生させてしまいます。
さらに口周りには食べ物のかすなどがつき、汚れやすいので、それが雑菌の温床になることがあります。口元を清潔に保つためにも洗顔が大切ですね。
フェイスライン
フェイスラインはUゾーンと呼ばれています。この部位はTゾーンについで皮脂の分泌量が多く、また頬杖などによって刺激されやすい場所で、度々思春期ニキビが発生する場所です。
意外なのですが、このフェイスラインのニキビの大きな原因の一つに、マスクの着用が挙げられます。風邪の時や病気の予防としてマスクをつけることが多いと思います。さらに女の子では化粧をしていないことを理由にマスクを着用する方が多いのではないでしょうか。実はこのマスクは、触れている部分の肌を刺激し続け、また湿気を保つので雑菌を繁殖させてしまうことになるのです。
マスクを着用するときは、毎日新品のものに交換し、1日中つけっぱなしにせず、適度につけ外しをして肌を休ませてあげましょう。
対策は?どんな食べ物を食べたらいい?
思春期ニキビの対策は、実はあまりないのが実情です。なぜなら、成長期は自然と終わり、それに伴って思春期ニキビはなくなるからです。つまり、「何をしなくても自然と治る」のが思春期ニキビの大きな特徴です。
しかし、少しでも皮脂の分泌を和らげるためにできることはあります。例えば、脂っこい食事やお菓子、暴飲暴食を避けることはとても大切です。そしてニキビはできてしまうものと考えましょう。大切なのはそれを悪化させないようにするケアです。
適度な洗顔で顔を清潔に保つことによって、ニキビの発生を抑えることができます。しかし、洗いすぎはダメージになるので注意してください。
ニキビのもとに雑菌が繁殖すると炎症を起こして、赤く痛みを伴うニキビになります。これはちゃんとケアしないと跡が残るので注意が必要です。
ニキビ跡を残さないためのケア方法は?
それでは少しでもニキビ跡を残さないためのケアで大切なことは、ニキビを触らないということです。
ついつい気になって触ってしまいがちですが、触ることで刺激になり、さらに雑菌を付着させることにつながるため、絶対に注意しなければいけません。できてしまったニキビは塗り薬を使用し炎症を和らげ、できるだけ触らないようにして少しでも早く治しましょう。
6時間以上の睡眠と、健康な食生活は肌の回復を早める上でとても大切です。
健康的な生活をすることが一番のケアになります。
医師、医学アドバイザー 橋本佳子プロフィール
久留米大学医学部卒業、内分泌代謝内科学講座入局。幼少期に母親がI型糖尿病を発症。父親とともに長年に渡る闘病生活を支え続けた経験から、心と体の繋がりについて深く学び、医学的な治療方法だけでなく、心との向き合い方について幅広い視点からアドバイスを行っている。 【経歴】:医療法人水聖会メディカルスキャニング浜松町にて院長を務めたのち、東京医科大学病院にて糖尿病内科医として勤務。現在は、ピュアライフメディカルクリニックにて治療に携わっている。