思春期ににおいが気になるように!臭いの原因と対策は?
思春期ににおいが気になるようになる原因は?
匂いは人間にとって、とても重要な要素の一つです。良い香りのする美味しい料理の思い出や、幼い日の夕立の雨の匂い、おばあちゃんの家のカビくさいけど懐かしい匂いなど、時間が経っても忘れずに強く記憶していることはないでしょうか。
匂いは脳と密接に関わることで、記憶や印象に大きな影響力を持ちます。
そんな匂いは良いことだけでなく、悪いことにも働きます。人は自分自身の匂いに気がつきにくくなっています。
もし気がつかないうちに匂いを出していたら、周りから「くさい」、「近づきたくない」など心ない言葉を浴びせられることがあります。それが思春期の繊細な心をもった子どもたちにはとても辛いことで、不登校や自殺のきっかけになるケースが実際にあるようです。
思春期に匂いがきつくなる原因は大きく分けて2つあります。
1. 思春期は皮脂の分泌が盛んになり、汗もかきやすいこと
思春期には皮脂の分泌が多くなり同時に汗をたくさんかくようになります。その汗に雑菌が繁殖し、匂いの原因になることがあります。
2. 匂いの原因となる物質を作り出す皮脂腺が発達すること
毛穴の中の汗を出す組織には、アポクリン腺と、エクリン腺という二つの器官があります。エクリン腺は生まれた時から体全体にある、ほぼ水分の汗を出す腺です。アポクリン腺は後から発達する器官で、フェロモンやたんぱく質、脂質などを出す腺で、ワキガの独特の匂いの原因になります。
思春期になるとアポクリン腺が発達し始めるので、匂いが発生するのですね。
対策は?どんな食べ物を食べたらいい?
汗の匂いは、食べ物を考えることで、多少軽減することができます。
具体的には油の多い肉類や、揚げ物などの脂っこいものを食べると皮脂の分泌を促し、体臭につながることがあります。肉や油もの中心の食生活にならないように心がけましょう。
さらに汗をかいたら即シャワーをすることで、汗に雑菌が発生して臭くなることを防げます。シャワーが難しい時なら、水で濡らしたタオルなどで体を拭くだけで全く変わってきます。
親がしてあげられる対策方法は?
親として子にしてあげられることは第一に、匂いに気付かせることです。
当本人が匂いに気がついていないのに、「くさいからこれ使おうね」などと対策を押し付ければ、自分の存在を否定されたかのように思い、とても大きなストレスになるのです。
具体的にはお風呂に入って体を清めた後に、それまで着ていた汗をたっぷりかいた衣類の匂いを嗅がせると、匂いを感じやすいのでオススメです。また、直接脇の下の匂いを嗅がせるのもわかりやすい方法です。
あとは手術で匂いの原因を断つ方法もありますが、手術跡が残ったり、再発したりすることがあるので、簡単にできるデオドラントの使用をオススメします。今ではデオドラント商品は豊富にあるので、色々と試してお子さんにあったものを使用すると良いでしょう。
医師、医学アドバイザー 橋本佳子プロフィール
久留米大学医学部卒業、内分泌代謝内科学講座入局。幼少期に母親がI型糖尿病を発症。父親とともに長年に渡る闘病生活を支え続けた経験から、心と体の繋がりについて深く学び、医学的な治療方法だけでなく、心との向き合い方について幅広い視点からアドバイスを行っている。 【経歴】:医療法人水聖会メディカルスキャニング浜松町にて院長を務めたのち、東京医科大学病院にて糖尿病内科医として勤務。現在は、ピュアライフメディカルクリニックにて治療に携わっている。