食物アレルギーの原因や症状は?何歳から発症する?
食物アレルギーの原因は?何故起こる?
食物アレルギーの原因はその食べ物に含まれる「たんぱく質」です。中でも鶏卵、牛乳、小麦はアレルゲンの中で多くを占めています。
0歳児ではこの3品目がほとんどを占めていますが、1歳以降では鶏卵と牛乳がアレルゲンとなる頻度がとても少なくなります。
食物アレルギーを持っている人がアレルギー症状を起こさない為には原因となる食物を控えることが一つの手段となります。
その指標として農林水産省では食品に対して「アレルギー表示」をしています。対象となる食品は現在のところ27品目です。
まずはアレルギーの原因となる食品の中でも患者数が多かったり、アレルギーの症状が重かったりということで表示が義務とされています。
アレルギー表示が義務とされている7品目
- エビ
- かに
- 小麦
- そば
- 卵
- 乳
- 落花生
その他の20品目は義務ではないが表示することを推奨されています。
表示が推奨されている20品目
- あわび
- いか
- いくら
- オレンジ
- カシューナッツ
- ごま
- キウイフルーツ
- 牛肉
- くるみ
- 鮭
- さば
- 大豆
- 鶏肉
- バナナ
- 豚肉
- まつたけ
- もも
- やまいも
- りんご
- ゼラチン
※平成23年度即時型食物アレルギー全国モニタリング調査
全年齢におけるアレルギーの原因食物は鶏卵がトップ、続いて牛乳、小麦の順である。
何歳から発症するの?
食物アレルギーはいつ起こるかというものではなく、どの年齢でも起こる可能性があります。食物アレルギーの多くは乳児で発症しますが、ほとんどは学童期までに改善されます。
また、子どものころはアレルギーはなかったけれど、大人になってから何らかのアレルギーが発症する場合もあります。(花粉症やハウスダストなど。)
食物アレルギーの発症は乳児で最も多くみられます。しかし、その多くは成長するとともに自然に治ると言われています。
この年齢とともにアレルギーの進行状況が変わることを「アレルギーマーチ」と呼びます。
乳児の時は食物に対してアレルギー反応を起こしていたが、成長とともに食物アレルギーが治り、花粉やハウスダストなどに反応するなど、アレルゲンも年齢とともに変化することがあります。
アレルゲンは年齢や成長とともに変わることがあります。
いつどこで起こるかわからないアレルギーに対して少しでもかかりにくく、また、症状が出にくくなるためには日ごろから規則正しい生活や食事のバランスに気をつけましょう。
どんな症状が出るの?
食物アレルギーによって現れる症状とその程度は個人差が大きいのですが、主な症状は以下の通りです。
アレルギーの症状として表れやすい部位としては皮膚症状が一番多い。皮膚症状とひと口に言っても、かゆみやじんましん、発赤、湿疹など個人差は大きい。
呼吸器の症状としては喉が圧迫されたり浮腫を起こしたりするほか、咳や呼吸困難に陥ることもある。粘膜症状としては大きく眼、鼻、口腔の3か所に分けられ、眼は充血やかゆみ、流涙など。鼻はくしゃみ、鼻水、鼻づまりなど。口腔は喉の奥がかゆくなったり、イガイガ感があったりという症状があります。
消化器症状としては胃から腸にかけて起こりやすく、腹痛、悪心、嘔吐、下痢、血便などが挙げられる。
皮膚症状 | 瘙痒感、じんましん、血管性浮腫、発赤、湿疹 | ||
---|---|---|---|
粘膜症状 | 眼症状 | 結膜充血・浮腫、瘙痒感、流涙、眼瞼浮腫 | |
鼻症状 | くしゃみ、鼻汁、鼻閉 | ||
口腔咽頭症状 | 口腔・口唇・舌の違和感・腫脹、咽頭の痒み・イガイガ感 | ||
消化器症状 | 腹痛、 悪心、嘔吐、下痢、血便 | ||
呼吸器症状 | 喉頭絞扼感、喉頭浮腫、 嗄声、咳嗽、喘鳴、呼吸困難 | ||
全身性症状 | アナフィラキシー 多臓器の症状 | アナフィラキシーショック 頻脈、虚脱状態(ぐったり)、意識障害、血圧低下 |
アレルゲンとなる食物を摂取して、60分以内に何らかの症状が出て、医療機関を受診した方の数は以下の通りです。
年齢別原因食物
0歳 | 1歳 | 2,3歳 | 4-6歳 | 7-19歳 | 20歳以上 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 鶏卵 56.5% |
鶏卵 43.7% |
鶏卵 29.0% |
鶏卵 33.0% |
鶏卵 15.8% |
小麦 36.4% |
2 | 牛乳 25.6% |
牛乳 21.3% |
牛乳 25.6% |
牛乳 22.9% |
牛乳 12.8% |
甲殻類 13.9% |
3 | 小麦 13.1% |
小麦 7.8% |
小麦 10.0% |
ピーナッツ 11.4% |
甲殻類 12.2% |
魚類 11.3% |
4 | 魚卵 7.3% |
魚卵 7.6% |
小麦 7.7% |
ピーナッツ 11.9% |
果物類 7.9% |
|
5 | ピーナッツ 4.5% |
ピーナッツ 7.0% |
果物類 5.6% |
小麦 10.6% |
ソバ 6.0% |
年齢別新規発症例
0歳 | 1歳 | 2,3歳 | 4-6歳 | 7-19歳 | 20歳以上 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 鶏卵 57.6% |
鶏卵 39.1% |
魚卵 20.2% |
果物 16.5% |
甲殻類 17.1% |
小麦 38% |
2 | 牛乳 24.3% |
魚卵 11.0% |
鶏卵 13.9% |
鶏卵 15.6% |
果物 13.0% |
魚類 13.0% |
3 | 小麦 12.7% |
牛乳 10.1% |
ピーナッツ 11.6% |
ピーナッツ 11.0% |
鶏卵・小麦 9.8% |
甲殻類 10.0% |
4 | ピーナッツ 7.9% |
木の実類 11.0% |
ソバ・魚卵 9.2% |
鶏卵・小麦 9.8% |
果物類 7.0% |
|
5 | 果物類 6.0% |
果物類 8.7% |
ソバ・魚卵 9.2% |
魚卵 8.1% |
参考:『厚生労働科学研究班による 食物アレルギーの診療の手引き2014』
アレルギーの原因となる食物やアレルギー症状は個人差が大きいため、周りとの比較よりも現状を正しく把握することが大切です。
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