低身長の可能性
「身長が周囲の子供達より低い」からといって、低身長とは限りません。
低身長とは、名前の通り、同年代の子と比べた時に身長が低いことを指しますが、この「低身長」には、「低身長症」と呼ばれる病気が存在します。
「低身長症」の場合には、医学的な治療が有効な場合が多いですので、早めに専門医に診てもらうことをおすすめします。
しかし、ここで気をつけなければいけないのが「身長が周囲の子供達より低い」からといって、「低身長症」であるとは限らないということ。
正しい知識をもって、判断することが大切です。
これって病気?低身長症の判断の仕方
低身長症かそうでないかは、お子様の身長が、同じ年齢の平均身長とどの程度離れているかを見て、判断します。
成長曲線というグラフを観たことがあるでしょうか?
成長曲線(せいちょうきょくせん)とは、人の発達具合を、横軸と縦軸で表した曲線のこと。この成長曲線では、SDという数値によって成長度を判断します。SDというのは、標準偏差(Standerd Deviation)の略で、平均からどのくらい離れているかを表しています。
身長の場合には、-2SD、-1SDといった表現をし、マイナス数値が大きくなるほど平均値から離れていき、低身長であると判断されます。医学的には、-2SD以下を「低身長症」と考えて、検査の対象となります。
-2SDという数値となるのは、同年齢の子供100人中、2~3人くらいの割合です。
低身長には、さまざまな要因が考えられますので、病院での検査の結果によって、対策が変わってきますが、なるべく早期の発見が大切です。
低身長症かどうかを、まずは数値で検証してみましょう
下記のリンクからご覧頂ける「年齢別平均身長(身長パターン)の表」「年間の成長率の表」から、お子様の身長を確認してみましょう。現在の身長が、-2SD以下の場合は、一度専門医に診てもらうことをお勧めします。
※-2SD以下は、医学的には低身長と考えられています。お子様の年齢と身長を確認し、-2SD以下の場合は、早めに一度小児科にてご相談されることをお勧めします。
※年間の成長率(身長の伸び)が、-1.5SD以下の場合は、注意が必要です。一度、小児科にてご相談されることをお勧めします。
平均以下でも、身長がこれから伸びる可能性も
表をみて、現在の身長が平均より下回っていたとしても無理に平均まで伸ばそう!と思い悩む必要はありません。
成長期を迎える時期が早い子供と遅い子供がいらっしゃいますので、身長の伸びるタイミングには個人差があります。
成長期を迎えるのが遅ければ、一時的には平均より下回ることもありますが、食事や睡眠などの生活習慣を整えていくことで最終的に高くなる可能性が大きいです。ですから、-2SDまでいっていない身長であれば、生活習慣を改めて見直してみるのが良いかもしれません。
最終的な身長を高めることを目指し、子ども達それぞれの成長期を大切にし、しっかりと健やかな成長を目指しましょう。
身長が伸びる仕組みをしって可能性を高めよう
病気が原因ではない、という場合は、身長を伸ばすためにできることから始めてみましょう。
身長が伸びるということは、骨が伸びるということです。骨の両端にある、「骨端線」という軟骨の部分が膨張することによって身長は伸びるのですが、この骨端線はある年齢を迎えると固くなって膨張しなくなってしまいます。
骨端線が固まる時期は、平均的には男の子は17歳前後、女の子は15歳前後です。残念ながら、一般的には骨端線が固まってしまってからは身長は伸びないとされています。
骨端線が成長する要素としてはいくつかありますが、最も重要な要素は、成長ホルモンを分泌させる深い睡眠、タンパク質、カルシウム、マグネシウム、亜鉛などの栄養素、骨端線に適度な刺激を与える運動、親や周りから受ける愛情などです。また、ストレスやフラストレーションをためない生活を送ることも重要です。
もう一度、睡眠・栄養・運動のバランスを意識して、伸び伸びと過ごせる環境をつくってあげてください。