- 監修:管理栄養士 磯村優貴恵
1歳・2歳・3歳の便秘、原因は4つ!本当に「便秘」か見極めて【管理栄養士監修】
子供の便秘はなぜ起こる?管理栄養士・幼児食アドバイザーがお答えします
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便秘の原因は?対処法は?
こんにちは。管理栄養士、幼児食アドバイザーの磯村です。
ミルクの時期が終わり、離乳食から幼児食と進んでいくうちに心配ごとの1つとして挙げられるのが「便秘」です。便秘にまつわる気になることや予防方法を丁寧に解説いたします。
そもそも、便秘とは?
2~3日便が出ないことを便秘と思っていませんか?
実は「便秘」とは「排便の時につらくなるほど力まなければならない状態」のことです。そのため、毎日排便があっても痛い、つらい時は便秘となりますし、2~3日に1度コンスタントに良い状態の便がするりと出ればそれは便秘ではありません。
まずは健康なうんちとはどのような状態であるかをきちんと知っておくことが大切です。
健康なうんちとは?
私たちの便の内訳として、およそ80%は水分となります。そして残りの20%は食べ物のカスや腸内細菌、古くなった腸の粘膜が剥がれ落ちたものなどです。
つまり、便の量を確保するためにはきちんと食べること、そして水分を十分摂ることが大切です。
子どもの健康的なうんちの状態とは、年齢にもよりますが、皮をむいたバナナ1本分ほどの大きさで、色は黄土色のような黄味がかった茶色です。また、健康なうんちの場合は排便の際に痛みが伴うこともなく、するりと出るのが特徴です。
そして何より排便によって「すっきりした♪」という感覚があることが大切です。
うんちの状態は大きく色と形状で見分けます。
(1)コロコロうんち(色は濃い目の茶色)
小さくて硬いのが特徴です。水分が少ないことが大きな原因です。
(2)バナナ状うんち(黄土色)
腸内環境も整っていて、体調も良好。理想的なうんちの状態です。
(3)柔らかうんち(②よりももう少し黄色がかっている)
腸内環境も整っていて、体調も良好。
(4)ドロドロうんち(濃かったり薄かったり様々)
水分が吸収できていないなど、体調不良の状態。
毎日出るうんちが(2)や(3)の状態であること、そしていつもと違った状態のうんちが出た際には生活を振り返って原因を探しましょう。
原因と対策は?
「便秘の原因=食物繊維不足」と思われている方も多いのではないでしょうか。
もちろん、食物繊維も便秘の予防や解消には欠かせない栄養素ですが、幼児の場合は食べ物以外にも理由が3つあります。
①筋力
大人と違ってまだまだ筋力が弱い幼児は排便の際に力(りき)む力が弱いため、うまく排出できないことがあります。
筋力をつけるためには、たくさん運動する(遊ぶ・身体を動かす)ことが大切です。室内にこもってゲームばかりしている、という場合は運動不足が筋力不足の原因になっているかもしれません。
②我慢
うんちに対する偏見で外(保育園や幼稚園)ではうんちをすることが恥ずかしい、と思い、我慢をしている子どももいます。その結果、うんちを出すタイミングを逃すことで便秘になることがあります。
うんちに対する正しい知識(うんちをすることは恥ずかしいことではないということ)を教えてあげましょう。
また、幼児に多いのが「トイレトレーニング」への緊張による便秘です。まだまだ一人でトイレをすることに慣れていない時期には、子供はオムツとは違った便座の感触や温度、臭い等に敏感なものです。異なる環境への緊張や、おうちのかたの視線や声がけが緊張につながってしまうこともあるでしょう。
「上手にうんちがしたい」というお子さんの気持ちを伸ばすためにも、リラックス出来る環境を意識し、上手にできた時はしっかりと褒めてあげましょう!
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③生活リズム
毎日の生活リズムを整えることも便秘と大きく関係します。
便を作る腸は昼間ではなく、夜に活発に動き出します。そのため、夜更かしをして睡眠時間が短くなると腸の活動時間の妨げになっているかもしれません。
また、夜寝るのが遅くなると朝起きるのが辛くなります。その結果、貴重な朝の時間が慌ただしくなり、ゆっくりとトイレに行く時間が確保できずに我慢することになります。
まずは睡眠時間を取り腸の活動を妨げないこと、そして朝、できれば決まった時間にトイレタイムを作り、うんちをする時間を確保しましょう。生活リズムを整えることで、排便のリズムも整いやすくなります。
最後に4番目として食生活についても簡単にご紹介します。
④食生活
健康的なうんちを作るためには「材料」が必要です。そのためにはしっかりと食べることです。
おやつでお腹いっぱいになってごはんが食べられない、好き嫌いばかりで小食・・・これではうんちの材料ができないために必然的に小さなうんちになってしまいます。
さらに形がぼこぼこしているものやコロコロと固く小さなものは排便の際に痛みを伴うこともあります。
これを改善するためにはしっかり食べることに加えて水分も十分に摂ることが大切です。
年齢ごとに、原因が異なることも
中でも、成長が著しい1歳、2歳は上記以外にも特徴的な原因があります。
1歳の便秘に多い原因
1歳は離乳食から幼児食に移る大切な時期です。母乳からも離れて完全にくちから食べる食事だけで栄養を摂るという方向に向かいます。
そのため、今まで母乳で補っていたと思われる栄養や食事量が急に少なくなってしまい、その結果としてうんちの材料自体が少なかったり、食物繊維が不足したりすることがあるのです。
2歳の便秘に多い原因
2歳は完全に幼児食に移行し、様々なものが食べられるようになる時期です。この時期は好き嫌いが多く見受けられ、食事が偏ることも珍しくありません。
その結果として便秘になることもあります。
また、前述したように2歳~3歳の頃に始まる「トイレトレーニング」も気をつけなければいけません。
うまく行かないことで怒られた、などの嫌な思い出ができてしまうとついついトイレを我慢してしまうこともあり、それが緊張性の便秘の原因となることもあります。
食べたものだけでなく、心のリラックスも便秘には大きく関与していることを知っておきましょう。
3歳の便秘に多い原因
2歳の頃から引き続き、3歳もトイレトレーニングを頑張る時期です。
さらに3歳頃からは大人と同じようなものが食べられるようになるからこそ、好き嫌いが多くなり、偏った食事になると腸内環境が安定せずに便秘の原因にもなります。
うんちの材料となる食事はしっかり食べましょう。
特に野菜や果物に含まれる食物繊維は不足しないように注意をしましょう。
また、この時期は活動的な時期ですので、水分補給も欠かさずにすることで、カチカチうんちの予防にもなります。
かたいうんちは出す時に痛みを伴うため、それを避けたいがために、うんちを我慢してしまう原因にもなります。
腸内環境も大切?乳酸菌も摂った方が良い?
健康的なうんちを作るためには腸内環境を整えることはとても大切になります。
子どもは大人とは違って腸内の善玉菌がまだまだ多い時期ですので、乳酸菌などの善玉菌を摂ることも大切ですが、それらの善玉菌のエサとなるような食物繊維やオリゴ糖を含む食材を積極的に摂りましょう。
食物繊維は野菜や果物に多く含まれますし、オリゴ糖は玉ねぎやごぼう、大豆などの豆類に多く含まれています。食事のメニューに野菜をたっぷり使った汁物が1品あると野菜も水分も一緒に摂ることができるのでおすすめです。
食物繊維って何?
食物繊維とは「人間の消化酵素では消化できない難消化性の成分の総体」です。食物繊維を含む食材はその特徴から大きく2つに分けられます。
①水溶性食物繊維
働き
粘着性があり、糖質の吸収を緩やかにすることや余分なコレステロールの排出に役立ちます。
主な食材
- ・海藻類
- ・こんにゃく
- ・里芋
- ・果物類
②不溶性食物繊維
働き
胃や腸に入ると水分を吸収して膨らみます。噛み応えがあることから口腔内の発達にも役立ちます。
主な食材
- ・穀類
- ・野菜類
- ・豆類
水溶性食物繊維も不溶性食物繊維もどちらも大切ですが、バランスの良い食事をすることでこれらも自然と摂ることができます。
ご飯や汁物に上記のものを混ぜ合わせるだけでも簡単に食物繊維の量を増やすことができますので、できることから始めてみましょう!
簡単♪便秘解消レシピをご提案!
レシピのポイントは、この2点です!
- 1)うんちの材料となったり、腸を刺激してくれたりする食物繊維を摂る。
- 2)うんちの硬さにも関係する水分を十分に摂る。
この2点を踏まえて、誰でも手軽に始められる便秘解消レシピをご紹介します。
●ごはん×食物繊維
いつもの白米にほかの食材を混ぜることで、食物繊維量を増やしてうんちの量を確保しよう!
①ごはん+雑穀米
お子さまには押し麦や小粒な雑穀など、クセの少ないものがオススメです。混ぜても見た目の変化が少ない押し麦や小粒の雑穀には食物繊維やビタミン・ミネラルも豊富に含まれます。
②ごはん+野菜
- 【案1】ミックスベジタブルを混ぜる(オムライスに使用しても◎)
- 【案2】コーンと一緒に炊く
【案3】里芋、きのこを刻んで一緒に炊き込む。⇒里芋やきのこ類には食物繊維が多く含まれます。
【案4】ひじきの煮物をごはんと混ぜ合わせ、味付きのおむすびにする。⇒ひじきなどの海藻類は食物繊維が豊富です。
白ご飯が苦手なお子さまも味付きのごはんで手づかみ可能なおむすびにすると食べやすくなります。
●汁物×食物繊維
ついついおろそかにしてしまいがちな「汁物」。実は、便秘対策にはオススメの1品となります!水分と食物繊維を十分に摂ることで、”スルッとうんち”を目指しましょう!
①味噌汁+食物繊維
いつもの味噌汁を具だくさんにするだけで、自然と食物繊維量もUPします。海藻、きのこ類、オクラ、キャベツ、玉ねぎなど、季節の食材を2~3種類入れると見た目もにぎやかで食べごたえのある汁物になります。
水溶性食物繊維は納豆や長芋、海藻類にも多く含まれ、不溶性食物繊維は根菜類や豆類にも多く含まれています。
様々な食材を組み合わせて、具沢山の味噌汁にすることで自然と食物繊維やその他の栄養素もたくさん摂ることができます。
②ポタージュ
野菜の食感が苦手・・・というお子様にはポタージュもオススメです。枝豆やコーン、かぼちゃやニンジン、さつまいもなどカラフルな野菜を使うと良いでしょう。
また、野菜は皮ごと使用することで食物繊維量もUPします。
味付けは無添加のコンソメや鶏がらでもよいですが、和風だし+味噌+牛乳(豆乳)で味噌ポタージュにするものオススメです。
日によってベースとなる出汁やメインとなる野菜を変えることで、バリエーションも豊富になります。
きのこが苦手なお子様でも、スープにすると食べやすい!人参やコネギを入れたら、緑黄色野菜も手軽に摂れちゃうので一石二鳥です♪→スクスク栄養レシピに掲載中!詳しくはこちら
排便日誌をつけるのもおすすめ
また、お子様の排便のリズムがいまいちつかみ切れない・・・という方は、「排便日誌」をつけてみるのもおすすめです。
便がでたか、どんな状態だったか、何時頃に排便があったか、どんな食事を食べたかなどを毎日つけていくことで、お子様の排便リズムを視覚的に把握できるようになります。
こどもフルーツ青汁は、少食・偏食などで気になる栄養バランスをサポート!毎日たったの50mlで、カルシウム、乳酸菌、βカロテンがたっぷり補えます。普段の食事プラスアルファとして、たくさんのご家庭でご愛用いただいています。→詳しくはこちら
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