妊娠時の着床痛と生理痛の違いについて
女性であれば、多くの人が体感したことのある生理痛。重苦しい下腹部の痛みは、なんとも言えない不快感があります。実は同じような痛みが、妊娠する前にも起こることがあります。今回は、妊娠するときに起こる着床痛と生理痛についてお伝えします。
着床痛とは
「生理痛は経験があるけれども、着床痛ってどんな痛みなの?」妊娠したことのない女性であれば、多くの人が疑問に思うことです。「着床痛だと思って喜んだのに、生理痛だった」「この痛み、また生理がくるのかな……と思ったら妊娠してた!」など、妊娠経験のある経産婦でも勘違いするほどの着床痛。まずは着床痛とは何かについて解説します。
着床痛
卵子と精子が受精し、受精卵となって子宮へと移動していきます。受精卵が子宮にたどり着くまではおよそ6日間。受精卵が子宮に到達し、子宮内膜にもぐり込み(着床)、母体と結びつきます。受精卵が子宮に着床したときに起きる下腹部の痛みを着床痛と呼んでいます。
ただし、着床痛に関しては医学的な根拠がわかっていません。専門家の中には、着床痛の存在を否定する方もいます。排卵の際に感じる排卵痛や、子宮の収縮や変化に伴う痛みを着床痛と勘違いしている可能性も指摘されています。
生理痛
生理痛は、妊娠に備えて厚くなった子宮内膜を、体外に排出する際に起こるものです。子宮から内膜が剥がれる痛み、それが生理痛になります。子宮をよじられたような、重苦しい痛みが続きます。一般的に、生理開始日から生理3日頃までが生理痛のピークですが、人によっては生理前後1週間ほど痛みが続く場合もあります。
着床痛と生理痛の違い
痛み方
結論から言うと、着床痛と生理痛の痛みについて、はっきりした違いは明示できません。着床痛は、「チクチク」「シクシク」「ツーン」とした痛みと言われることが多いですが、感じ方は人により様々です。生理痛と似たような“鈍痛”という人もいれば、生理痛以上の“激痛”という人もいます。いずれも、痛みが発生する時期が近接しているので、腹痛の内容だけで違いを把握するのは難しいと言えます。
痛みの発生する時期
生理痛は、早い人だと生理開始の1週間前から生理期間の前半までに、下腹部に痛みを感じる人が多いです。一方、着床痛は、分かりやすいように生理予定日で数えると、生理予定日の1週間から数日前くらいに発生すると言われています。着床する時期は、排卵日から数えて10日前後になるからです。つまり、生理痛が発生する期間と、着床痛が発生する期間は重なります。そのため、生理痛と着床痛のいずれなのかを見分けることが難しいのです。
着床痛や生理痛が発生するこの時期は、妊娠している場合は妊娠初期にあたります。そのため、大量に分泌されるホルモンの影響で、子宮だけでなく体全体が大きく変化する時期とも重なります。着床痛以外の腹痛や腰痛など、軽重様々な痛みが生じることがあるのです。
痛みとの向き合い方
耐えられないというわけではないけれど、鈍い痛みに気持ちが沈んでつらい……。婦人科系の腹痛は病気ではないだけに、気持ちの不快を伴います。このようなときは、無理をせずにゆっくり休むのがベストですが、妊娠を希望している場合は痛みがひどいときに痛み止めを使用するか迷ってしまうところです。
こうした痛みや不快感は、少し工夫すれば和らげることができます。生活の中の何気ない姿勢や行動から、体を冷やしたり、ストレスを溜めてしまったり……小さいことの積み重ねが、痛みをよりつらいものにしてしまっている可能性があります。 例えば、締めつける服装をやめてゆったりとしたものに着替える、足・お腹・腰など下半身を温める、同じ姿勢でじっとせずに軽く体を動かすようにするなど、体がリラックスできるようにしてあげましょう。体が冷えると、子宮も冷えてしまい、妊娠しにくいと言われています。できるだけゆっくり、温かくして過ごすように心がけましょう。
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