妊娠しやすい時期について
高齢出産や不妊症の増加によって、妊娠の方法も多様化してきました。妊娠を希望する場合は、まずは自然に妊娠する方法を試される方が多いと思います。順調に月経がきているのであれば、妊娠しやすい時期を理解することで、妊娠確率を上げることができます。今回は妊娠しやすい時期について、具体的にみていきましょう。
妊娠のために
妊娠は、様々なタイミングが合うことの連続で成立します。精子にも卵子にも、それぞれ短い寿命があるうえ、受精しても受精卵が着床できなかったり、着床してもダメになったりとタイミングだけでなく体質にも影響を受けてしまいます。しかし、妊娠の仕組みを理解できれば、より効率的に、ベストなタイミングで妊娠へと結びつく活動ができます。
◆月経周期
女性には毎月訪れる月経ですが、周期は人によって異なります。周期が28日の人は、月経開始から14日目に排卵することが多いようです。月経周期が40日ある人もいますし、3カ月きていない……という人もいます。このため、排卵のタイミングは一概には言えません。 もっとも、数カ月もの間、月経がきていないという人は生理不順であり、不妊症の可能性も否定できないため、早めに受診しましょう。自分の月経周期と排卵のタイミングを知る手段としては「基礎体温」があります。
◆基礎体温
月経周期と排卵のタイミングを確認する際に便利なのが「基礎体温」です。基礎体温とは、体が一番安静にしている状態のときの体温です。朝の目覚ましがけに、動かずにそのままの状態で測定します。基礎体温を測り記録することによって、生理や排卵など女性の体をコントロールしているホルモンの動きが確認できるようになります。
基礎体温は継続的に測ることが重要で、毎日の体温の記録をグラフにしたりして、体のリズムを確認します。基礎体温は測り忘れがあったりしても、素人目でも分かるような変動を見せると言われています。もし、体温がバラバラで何も読み取れなかったり、そもそも月経が来ないという人は、妊娠しにくい可能性があります。早めに産婦人科を受診してください。
◆夫婦生活とコミュニケーション
赤ちゃんは夫婦のもとに授かるものです。どちらか片方だけの努力ではなく、夫婦両方の協力が必要になります。卵子の寿命は長くて約1日、月に1個程度しか排卵されないので、必然的に妊活できるタイミングは限られます。
一方、精子の寿命は平均2~3日と言われています。精液の量は、1回の射精で数mlですが、精子は常に作られ続けているうえ、このくらいの射精で減ることはほとんどないとされています。以前は、禁欲して精子をためて質をあげようとすることもあったようですが、最近では、排卵のタイミングでこまめに夫婦の営みをもつことが勧められています。
タイミングが合わないと妊活は長期戦になる場合もありますが、日々のコミュニケーションを十分にとり、継続的な夫婦の営みをもつことができるように、楽しみながら妊活を行いましょう。
妊娠しやすいタイミング
基礎体温をつけていると、体のリズムがわかってくるので、排卵日を予測しやすくなります。基礎体温には、低温期が続いた後で、体温がさらに下がる日(最低体温日)があります。排卵は、最低体温日の後に起こると言われています。排卵後は、ホルモンの作用で体温が上がり、高温期に移行します。
妊娠するためには、排卵したときに性交渉をもつことが大前提になります。排卵日の2日前の性交渉が、妊娠する確率が最も高いとする研究もあります。性交渉の回数は、1度よりも排卵のタイミングと思われる日の前後に数回あったほうがよいでしょう。より多くの精子が卵子にたどり着きやすく、必然的に受精の確率が上がります。
ただし、排卵は確実に最低体温日に起こるとは言い切れません。より確実に排卵日を特定するためには「排卵検査薬」を利用する方法もあります。排卵日検査薬は、排卵の直前に起こる黄体形成ホルモン(LH)の増加をみるものです。薬局で購入でき、尿をかけて反応を確認するだけでOKです。低温期の終盤、そろそろ排卵日が近いかなというあたりで使い始めます。排卵検査薬を使う場合、最も妊娠しやすいタイミングは陽性が出てからの3日間です。この間に、できれば数回の性交渉を持つのがよいとされています。
正しい知識を持って臨めば、妊娠の可能性はグッと上がります。みなさんの妊娠が成立することを願います。
【参考資料】 徐クリニックARTセンター 「自然妊娠の最適条件-妊活中の方必読のノート」より http://joclinic.jp/mtblog/2013/11/-.html
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