妊娠2カ月目(4~7週):体の変化や気をつけるべきこと
妊娠2カ月は、多くのママが妊娠に気づき、妊娠検査薬を使用したり、病院や産院で受診する時期です。早い人ではつわりもスタート、赤ちゃんの心臓も動き始めるなど、劇的な変化がみられるようになります。
ママの体の変化
生理予定日を過ぎても月経がこない、基礎体温の高温期が続く、最近ずっと眠い、だるいなどの理由から妊娠に気づくママが多くなります。妊娠検査薬を使用して反応があるのもこの時期からです。子宮は鶏卵の1.5倍程度まで大きくなりますが、おなか全体の見た目は変わりません。
妊娠2カ月では、以下のような症状がでてきます。
月経が止まる
妊娠すると月経が止まります。この頃に少量の出血が数日続くことがありますが、着床出血の可能性もあるため注意が必要です。
基礎体温で高温期が続く
基礎体温をつけている場合は、高温相が続きます。低温になった場合は妊娠が不成立となります。
眠い、だるい
プロゲステロンなど女性ホルモンが増加し、眠気を引き起こすと言われています。朝からだるい、昼間でも眠いということも発生します。
吐き気・むかつきがある
胃がむかつく、吐き気がする、食べ物の好みが変わるなど、つわりの症状がで始めます。
乳房が敏感になる
妊娠するとホルモンが乳腺を刺激し、乳腺組織や母乳が通る乳管が発達します。乳首がチクチクしたり、乳房に張りや痛みを感じることがあります。
情緒不安定になる
妊娠を継続するために色々なホルモンが分泌されます。ホルモンバランスが大きく変わるため情緒不安定になる場合があります。
妊娠検査薬で陽性反応がでる
妊娠するとホルモンの一種であるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)がたくさん作られ尿中に出されるようになります。妊娠検査薬では、尿から排出されるhCGで妊娠の可能性を測定しています。
【お腹の赤ちゃんの様子】
体の各器官が急ピッチで形成される時期です。一般的に4週~16週は「器官形成期」と呼ばれます。4週頃のエコーでは、「胎嚢(たいのう)」という赤ちゃんが入っている袋が見えるようになります。この頃の赤ちゃんのことを「胎芽(たいが)」とも呼び、胎嚢の中に小さな点として見ることができます。
大きさ
座高:約1cm
体重:約4g
体の機能
4週を過ぎる頃から心臓が動き始め、6週頃には心拍が確認できるようになります。脳や脊髄など神経系の細胞はほとんどが作られ、胃や肝臓などの内臓も形ができます。7週頃には、頭と胴体の区別がはっきりし、目や口、耳などの原形もできてきます。
【気をつけること】
葉酸を摂取する
葉酸はビタミンB群に属する栄養素です。厚生労働省では、食事からだけでなくサプリメントなど栄養補助食品からも積極的に葉酸を摂取するように勧めています。妊娠初期は赤ちゃんの細胞増殖が盛んなので、葉酸が不足すると赤ちゃんの神経に障害がでるリスクが高まることがわかっているからです。1日440μgを目安に摂取しましょう。
薬やX線の影響
妊娠の疑いがあるときは薬を飲まない、放射線などの検査前には医師に相談することが大前提になります。妊娠2カ月は器官形成期なので、薬や検査の種類・量によって、赤ちゃんにトラブルを起こすことがあるからです。医師に相談せずに服用してしまっても、必ずトラブルが起こるというわけではありませんが、不安や心配は産婦人科医に相談しましょう。
アルコールはやめる
摂取したアルコールによって、赤ちゃんの流産や先天異常がみられると指摘されています。米国の小児科学会では、「妊婦のアルコールは、たとえ少量であっても一切ダメ」という発表をしています。
タバコはやめる
タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素の影響で、ママが吸うと胎盤機能が低下してしまいます。その結果、赤ちゃんの発育が遅れる、流産や早産を招くことが指摘されています。パパが喫煙している場合は受動喫煙も心配ですので、禁煙をお願いしましょう。
カフェインを控える
カフェイン摂取によって出されるホルモンが、血管を収縮させ、赤ちゃんに十分な酸素を運べずに発育が遅延したり、流産や死産になる危険性が指摘されています。コーヒー1杯が100ml程度とすると、摂取の上限は2~3杯となります。紅茶や緑茶にもカフェインが多いので注意が必要です。
【検査と手続き】
病院・産院選び
総合病院や大学病院から、個人クリニック、助産院、自宅出産まで、お産する場所は色々あります。人気のところは早めに予約しましょう。里帰り出産のママは、実家で出産する産院も予約しておく必要があります。出産方法や費用、立地などを検討しながら、納得できる出産ができるところを選びましょう。
初診時の検査
一般的には以下の内容を検査します。
問診・内診・尿検査・血圧測定・妊娠反応検査・血液検査・身長測定・体重測定
妊娠初期の検査
妊娠4カ月ごろまでに1回は受ける検査が以下になります。
血液検査・超音波検査・子宮頸がん検査・クラミジア検査・HIV検査
【参考資料】
・「母子健康手帳 副読本」公益財団法人母子衛生研究会、2015年
http://www.mcfh.or.jp/
・「葉酸とサプリメント ‐神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果」e-ヘルスネット、厚生労働省
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-002.html
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