妊娠8カ月目(28~31週):体の変化や気をつけるべきこと:スクスクのっぽくん
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妊娠8カ月目(28~31週):体の変化や気をつけるべきこと

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妊娠・出産ガイド

妊娠8カ月(28~31週)

妊娠8カ月からは、いよいよ妊娠後期の始まりです。赤ちゃんは成長が進んでいるので、この時期以降に産まれても無事に育つ可能性が高くなります。ママの体は一気に大きくなり、これまでと比べると身動きがとりづらくなります。

【ママの体の変化】

妊娠8カ月になると、足元が見えないくらいお腹がせり出してきます。お腹の張りも強くなり、頻度も増します。大きくなった子宮に、内臓が圧迫されるためマイナートラブルが発生します。

妊娠8カ月では、以下のような症状がでてきます。不快症状が強いときは受診しましょう。

後期つわり・動悸・息切れ

子宮は胃を押し上げるほど大きくなるため、胃が圧迫されて、胃もたれや吐き気など“つわり”のような症状が発生します。動悸や息切れも発生します。子宮底長は26cm~29cm程度になり、お腹全体が重く、腰や背中が痛むママもいます。仰向けに寝るのが辛くなるので、体の左(心臓側)を下にして横向きになる“シムスの体位”をとりましょう。

お腹が強く張る・頻繁に張る

子宮が収縮することでお腹が張る、頻繁に張る、お腹が硬くなると感じるママが多くなります。疲れたときや夕方に多く、休むと治まるなら心配ありません。定期的に強く張る場合は陣痛の恐れがあるので受診しましょう。

母乳がにじみ出る

乳腺が発達し、乳房が大きくなります。母乳を作るためのプロラクチンというホルモンが分泌されることで、乳頭から乳汁がにじみ出てくる場合もあります。

便秘・痔

妊娠すると黄体ホルモンが増えて腸の動きが鈍くなったり、肥大した子宮が腸を圧迫するため便秘が発生しやすくなります。便秘が悪化し痔になるママもいるので、食物繊維を多く摂る、適度な運動をする、水分を多めに摂る、医師から薬を処方してもらうなどして早めに対応しましょう。

足がつる(こむらがえり)

お腹を支える足に負担がかかり、ふくらはぎの筋肉がけいれんして足がつる“こむらがえり”が起こりやすくなります。

【お腹の赤ちゃんの様子】

妊娠8カ月になると、赤ちゃんは外に出ても生存できるほど必要な器官、機能が発達しています。この頃になると、大きくなった赤ちゃんにとっては子宮の中が窮屈になってくるので、頭を下にした姿勢をとるようになります。

大きさ

身長(頭殿長):約40cm
頭部:約8cm
体重:約1,600g

体の機能

28週を過ぎると、赤ちゃんの臓器や機能は、早く産まれても自力で生きることができるレベルになります。万一、早産になっても適切な低体重児医療を受ければ無事に育ちます。皮下脂肪も増え、体はさらに大きくなりますが、まだ未熟な状態です。特に肺は完成していないため、しばらくはママのお腹で育つ必要があります。この頃になると、体が大きくなり子宮内での動きがとりにくくなるので、胎動が減ったように感じます。「頭位」という頭を下にした姿勢になる赤ちゃんが増えてきます。

【気をつけること】

妊娠8カ月(28~31週)

切迫早産・早産

切迫早産は、妊娠が継続しているものの、子宮口が開いたり、子宮頸管が短くなったりして早産の兆しがあることを言います。早産は、妊娠22週~37週未満の間に、赤ちゃんが未熟な状態でお産が始まることを言います。お腹の張りが規則的に続く、出血がある、破水したかもしれないなど、いつもと違うと感じたときは受診しましょう。切迫早産では安静が一番です。その他、服薬や点滴、入院措置がとられることもあります。

妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)

妊娠後期になると、血管にけいれんのような収縮が起こって、高血圧・タンパク尿・むくみという症状が現れることがあります。悪化すると、早産などのトラブルに発展しますので、定期健診を欠かさないこと、安静とバランスの良い薄味の食事が基本となります。

仰臥位(ぎょうがい)低血圧症候群

同じ体勢を取り続けることによって、静脈を圧迫し心臓への負担がかかってしまうと、吐き気や嘔吐、頻脈、呼吸困難といった仰臥位低血圧症候群の症状が出ます。意識して体勢を変える、シムスの体位をとるなどで予防しましょう。

静脈瘤(じょうみゃくりゅう)

大きくなったお腹のために静脈が圧迫されて、太ももやふくらはぎ、外陰部などに血管のふくらみ(こぶ)のようなものができます。痛みを伴う場合もあり、休憩をはさみながら行動しましょう。

腰痛と体重管理

体重が増えすぎると、妊娠中毒症や妊娠糖尿病を発症し、お産のときにトラブルが発生しやすくなります。大きなお腹のために姿勢が反り返るので、腰痛も発生しやすくなります。適度な運動とバランスのよい食事で、健康状態を保つよう心がけましょう。

おっぱいの手入れ

母乳の出を良くするために、乳頭や乳輪部のケアをします。お腹が張ることがあるため、必ず医師や助産師の指導を受けてから始めます。

妊娠線対策

お腹の肥大化に皮膚がついていけずに割けてしまいます。皮膚を伸びやすくするために、マッサージやクリームで妊娠線を防止しましょう。

【検査と手続き】

健診

妊婦の定期健診は2週間に1回になり、頻度があがります。マイナートラブルも増える時期なので、気になることは医師に相談しましょう。

赤ちゃん用品・名前の検討

性別も判明している場合が多く、臨月前に赤ちゃん用品の準備を始めるとよいでしょう。出生後は14日以内に届け出をしなければならないので、名前は事前に検討しておきます。

入院グッズ準備と共有

いつお産が始まっても大丈夫なように、入院グッズはひとまとめに準備しておきます。お産はいつどこで始まるかわからないので、少なくとも病院に付き添う予定の夫などには入院グッズのありかなどを共有しておきましょう。

【参考資料】
「母子健康手帳 副読本」公益財団法人母子衛生研究会、2015年
http://www.mcfh.or.jp/

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