妊娠5カ月目(16~19週):体の変化や気をつけるべきこと
妊娠5カ月になると、体も心も落ち着く安定期に入ります。全体的に体が丸みを帯びてきて、妊婦体型になってきます。昔からの習慣で、妊娠5カ月の戌の日に、腹帯を巻いて安産祈願をする「帯祝い」をする人もいます。腹帯は、以前は“さらし”でしたが、今はガードルタイプのものが主流です。保温や腰の負担を軽減する役割もあるので、必要なママは使ってみましょう。
ママの体の変化
妊娠5カ月になると、ほとんどのママはふっくらとしてきて見た目にも“妊婦さん”になります。この頃にはつわりが治まっていることがほとんどでしょう。
妊娠5カ月では、以下のような症状がでてきます。安定期であっても、不快症状が強いときは受診しましょう。
お腹のふくらみがわかるようになる
子宮は大人の頭くらいに大きくなり、へそのあたりまで前に出てきます。これまでの下着や衣類はきつくて着用できないことが多いので、マタニティウェアに切り替えます。
体重が増えてくる
赤ちゃんも大きくなりますが、ママの体にも皮下脂肪がついてくるため、この頃から体重が増えてきます。
バストのサイズが大きくなる
乳腺が発達し、乳房がワンサイズほど大きくなります。乳頭の色が変わったり、乳房を絞ると黄色い乳汁が出ることもあります。人によっては、乳房がムズムズしたり、チクチクしたりと不快症状がでる場合があります。
胎動を感じる人も
これまでは赤ちゃんの体が小さかったため、胎動に気づくことはありませんでした。妊娠5カ月以降は、「腸が動く感じ」「お腹がぐねぐね、もぞもぞする」などと赤ちゃんの動きを感じることがあります。一般的に経産婦は胎動を早く感じるようですが、初めての場合は、妊娠6カ月以降に胎動を感じるくらい個人差があります。
【お腹の赤ちゃんの様子】
妊娠5カ月になると、より赤ちゃんらしく成長します。赤ちゃんの頭は鶏卵ほどまでに大きくなり、体に皮下脂肪も付き始めてふっくらしてきます。
大きさ
身長(頭殿長):約25cm
頭部:約4.5cm
体重:約250g
体の機能
胎盤が完成し、へその緒で母体とつながります。酸素や栄養、老廃物の出し入れができるようになります。腎臓が機能しているので、羊水を飲んでおしっこをするしぐさも見られます。皮膚は徐々に赤みをおびて、「胎毛」と呼ばれるうぶ毛も全身に生えます。自分の指をしゃぶったり、手足を伸ばしたりと、様々な動きをするようになります。爪が生え、骨が丈夫になるので、ママはカルシウム不足にも気をつけましょう。
【気をつけること】
食事内容と体重管理
つわりが治まるため、一気に食欲を増す妊婦が多くなります。妊娠前の体重・体格に則って、医師から適正な体重管理をアドバイスされるようになります。体重が増えすぎると、妊娠中毒症や妊娠糖尿病を発症し、お産のときにトラブルが発生しやすくなります。体重が急激に増えるのは妊娠後期からなので、この時期に増えすぎるのは注意です。妊娠すると、血液の量が増えて鉄分が不足すると言われています。食事では鉄分を意識してとるように心がけましょう。
妊娠線対策
お腹を中心に脂肪や筋肉が増大するため、皮膚がその成長についていけずに亀裂ができて割けてしまいます。妊娠線を防止するため、皮膚を伸びやすくするマッサージやクリームを取り入れましょう。
健診・流産・切迫流産
健診は4週に1回の頻度です。この頃から、子宮底長と腹囲の測定が始まります。子宮の収縮が頻繁だったり、強いときは横になり安静にします。出血がある、張りがいつもと違うと感じたら、健診日を待たずに受診しましょう。
デンタルケア
お腹が大きくなったり、赤ちゃんが産まれた後では、歯科にもなかなか行けなくなります。今のうちに、歯科検診をうけて虫歯を治療しておきましょう。
アルコール・タバコはやめる・カフェインを控える
アルコールやタバコ、カフェインの影響で、赤ちゃんの流産や早産、発育遅延がみられると指摘されています。アルコールやタバコの摂取では先天異常の報告もあります。受動喫煙にも注意しましょう。
旅行や引越しはゆったりスケジュールで
安定期になると、旅行や引越しを計画する家庭が多くなります。旅行で遠出をする場合は、事前に医師に相談する、母子手帳や保険証を旅行先に持参する、旅行先の医療機関を調べておく、交通手段を無理のないものにする、重い荷物は持たないことを意識します。引越しをする場合は、業者に荷造りを含めてお願いするなど、掃除や休憩も含めてゆったりしたスケジュールで計画しましょう。
【検査と手続き】
里帰り出産の手続きをする
里帰り出産をする場合は、転院の手続きが必要です。現在定期検診を受けている病産院から、転院先の先生あてに紹介状を書いてもらうことになります。里帰り先に帰省することがあれば、転院先の病産院に事前に顔を出しておくことをおススメします。
母親学級・両親学級・妊娠体操
行政や病産院が主催している母親学級、両親学級に参加ができるようになります。必要に応じて予約しましょう。妊娠15週頃からは妊娠体操といって妊婦の健康のための軽い体操ができるようにもなります。妊娠の経過にもよるので、医師の確認をとってから参加することをおススメします。
【参考資料】
・「母子健康手帳 副読本」公益財団法人母子衛生研究会、2015年
http://www.mcfh.or.jp/
妊娠に関する基礎知識
- 妊娠したい
- 妊娠したら
- 妊娠かも?
妊娠したい | 妊娠したら | 妊娠かも? |
---|---|---|