スクスク親子お悩み相談01
このコーナーでは、鈴木先生が心理カウンセラー、スクールカウンセラーの経験から、お母さんや子どもたちの悩みにお答えします。学校でのこと、心配ごとや悩みごとはありませんか?
「こんな時、娘を黙って見守るべきでしょうか?」
本人に聞く前に、必要な見極めを
小学生のお子さんをお持ちのお母さんの悩みとして、最も多いもの。それがこうした【友だちづくり】に関することです。お子さんがなんとなく一人になることがあるという情報について、そのいきさつや状況がある程度つかめると、もう少し具体的に問題を考えられるでしょう。ここで一つポイント。
お子さんの返答にある「別に大丈夫」の「別に」とは、どういうニュアンスで使われたのでしょう。これは「いろいろあるにはあるけど、今のところ自分としてはSOSを出すほどではない」ということなのか?
それとも、「大変な状況なのに、言うに言えない」という葛藤を隠すためのものなのか?それともお母さんが「ちゃんと」ではなく「それとなく」聞いたから、しっかりとした返答が返ってこなかったということなのか?たった一つのお子さんとのやりとりでも、実にいろんなことが考えられるわけです。
「別に大丈夫」というお子さんの言葉を、まずはしっかりと受け止めましょう。また、お子さんの状況を把握するために、直接本人に聞く以外に、担任の先生に上手に確かめたり、直接学校に足を運んでそれとなく様子を見たりなど、他に可能な方法はありそうですか?善意にせよ、他のお母さんからの情報だけに飛びついて、不安のあまり、すぐに本人に確認してしまえば、当然お子さんも答えにくくなるもの。
すぐに対処が必要なケースか、あるいは長い眼で見た方がよいケースなのかを見極めるためにも、一つ一つ丁寧に考えながら動くことが大切です。
お子さんへの聞き方も「別に大丈夫というのは、そんなにたいしたことではないから平気だということ?」など、出来るだけ具体的に問いかけてみましょう。大丈夫であれば、「うん」「そうだよ」という返答がしっかりと返ってくるはずですし、逆に「うーん」と言葉につまったり、「だから大丈夫だよ!」と語気を強めたりする場合は、言葉の通りではないかもしれません。そうした反応によって、お子さんの置かれた状況と心情を推察していきましょう。
心理カウンセラー。東京港区で小学校のスクールカウンセラーを3校歴任。現在は子育ての悩みなどの教育相談、子どものカウンセリング、子育て勉強会・ワークショップなどを実施。高校生と中学生の2児の父親でもある。趣味はキャンプ・ジョギング。
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