スクスク親子お悩み相談05
このコーナーでは、鈴木先生が心理カウンセラー、スクールカウンセラーの経験から、お母さんや子どもたちの悩みにお答えします。学校でのこと、心配ごとや悩みごとはありませんか?
「仕事が忙しく、子供とゆっくり過ごしてあげられません。」
ちょっとした「工夫」の積み重ねで親子の絆を深めましょう。
お母さんがお勤めで帰宅時間が遅くなる場合、お子さんが小さいうちは、いろいろ心配になることもあるでしょう。今回のご相談のように、小学四年生のお子さんですと学童保育の対象外となりますので、夕方から一人で留守番ということになるご家庭も少なくないかと思います。そこで、実際にお子さんが、お母さんがご心配されるように寂しい思いをしているのかどうかというところが、今回のご相談の焦点となりましょう。お子さんの口から寂しさを匂わすようなニュアンスの言葉や表現が実際にあったのかどうか。ご相談文をみますと、お母さんからの問いかけに、「大丈夫だよ」という言葉が返ってきているとのこと。また、お母さんから見ても「平気な様子」とあることから、今の時点でお子さんがもの凄く寂しい思いをしているということではなさそうです。この他にも特にご心配に思える様子がないのであれば、今の段階ではいたずらに心配をするよりも、お子さんがこれから寂しい思いをしないような「工夫」を考えていく方が良さそうです。
例えばお子さんが学校から帰ってくると、食卓におやつが置いてあり「今日のおやつです。牛乳はレンジで温めて。お友達の家に遊びに行くのなら、おやつは持って行って皆で食べてくださいね」などといったメモ書きが添えてあったらどうでしょう。おやつだけ置いてあるよりも、温かい気持ちになるはずです。あるいは、交換日記のやり取りをしているお母さんとお子さんもいます。面と向かって言いづらいことでも、ノートを通して交わせることもあるでしょう。そして留守番をしている時に、そのノートが読み返せたりもします。
こうしたちょっとした工夫によって、お母さんとお子さんのつながりが一つではなくなります。またこれらの工夫は、ほんの少し手をかけるだけでよいので忙しいお母さんにも手軽に出来ると思います。そして、こうしたちょっとした心遣いがお子さんの心の中で「ぬくもり」の記憶として、生涯にわたって生きていくことになるのです。
心理カウンセラー。東京港区で小学校のスクールカウンセラーを3校歴任。現在は子育ての悩みなどの教育相談、子どものカウンセリング、子育て勉強会・ワークショップなどを実施。高校生と中学生の2児の父親でもある。趣味はキャンプ・ジョギング。
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