スクスク親子お悩み相談09
このコーナーでは、鈴木先生が心理カウンセラー、スクールカウンセラーの経験から、お母さんや子どもたちの悩みにお答えします。学校でのこと、心配ごとや悩みごとはありませんか?
「塾と習い事、両方通わせたいけれど・・・」
やめることにも、時には柔軟に
新たに塾に通わせたいけれど、せっかく続けてきた習い事も辞めさせたくない。何を優先させて、何を削るかなど、多くの方が悩まれる問題かと思います。まず、習い事については「一旦始めたものは安易にやめるのではなくできるだけ続ける」ということに重きをおく親御さんが多いようですね。また、小学生は「続けなければいけない」と思い込んでしまう律儀なところがあるため、本人に確認したときに「続ける」と言ったとしても、実は心の中では「やめたい」と思っている場合もあるようです。続けるかどうかは、本人の意向と同時に親からみた判断も加え、無理が無いか、どこまで頑張れるかなどを決めていくというスタンスがよいと思います。
本来、子どもは飽きっぽいところがあり、それが普通であるともいえます。ですから、「本人がやるといったのだから、続けるべき」という考えに、あまり固執し過ぎるのも考えものです。辞めたいなどの相談を受けたときに「自分でやるって言ったんでしょ!」と言われてしまうと、子どももそれ以上は二の句がつげなくなり、段々本当の気持ちを打ち明けにくくなってしまうからです。親御さんの中には、辞めさせると「やめグセがつくのでは?」「怠惰な人間になるのでは」という心配をする方もいますが、それも時と場合によります。むしろイヤイヤ続けることの弊害もありますから、本人とよく話し合って決める方が良いと思います。
また、親御さんの中には、お子さんに「何かを続けることで自信がつく」と考え、スポーツや習い事を続けさせるケースもあるようです。しかし、自分に自信をもつためには、自分自身を好きになることの方が大切なんです。
子どもが自分を好きになるためには、自分の様々な感情を受け容れてもらえたという「経験」が必要です。落ち込んだり、悔しがったりしても親に受け容れてもらえたという経験によって、子ども自身が様々な自分を受け容れられるようになるからです。人より何かが出来ることよりも、どんな自分でも好きだと思えることのほうが、根本的な自信につながっていくといえるでしょう。
心理カウンセラー。東京港区で小学校のスクールカウンセラーを3校歴任。現在は子育ての悩みなどの教育相談、子どものカウンセリング、子育て勉強会・ワークショップなどを実施。高校生と中学生の2児の父親でもある。趣味はキャンプ・ジョギング。
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