スクスク親子お悩み相談06
このコーナーでは、鈴木先生が心理カウンセラー、スクールカウンセラーの経験から、お母さんや子どもたちの悩みにお答えします。学校でのこと、心配ごとや悩みごとはありませんか?
「毎年クラス替えの季節に気持ちが不安定に・・・」
じっくりと見守り、安心感を「経験」させてあげましょう
新しい学校、クラスになる際に、自分がクラスに溶け込めるのかを心配するお子さんは少なくありません。新しい場面や環境に対して不安を覚えるのは、気質的な要素もありますが、その子の「捉え方」によるところも大きいといえます。
まずは、元々緊張する度合いの強いお子さんも含め、緊張を覚えること、不安になることをあまり否定しないことがポイントです。緊張や不安を払しょくするのではなく、緊張しながら、不安を抱えながらでも、徐々に溶け込んでいけるようにあたたかく見守るスタンスが大切なのです。
また、新しい場面にのぞむにあたり、「自分は受け容れられるのか?」「自分を否定、拒絶されたりはしないだろうか?」という不安を持ちやすい場合は、お子さんの中にある「他者(集団)は自分にとって脅威である」という否定的な捉え方が起因していることがあります。
ご質問の中で、お母さんご自身も覚えがあるとのことですが、この「他者への無意識の否定感、警戒感」は、大人にもみられます。
解決のポイントは、普段の会話のなかで、安心感を「経験」できるようにしてあげること。お子さんが一番安心できる瞬間とは、自分の言いたいこと、そのときの思いを「理解された」と実感できたときです。「友だちできるかな・・・」という言葉には「一人もできなかったらどうしようかって心配?」とか「一緒にいられる友だちができたらなって思うのね」という風に、お子さんの不安(な訴え)や願いを、お母さんの言葉で言い換えてあげると、お子さんは自分の気持ちを受け止めてもらえたと感じます。
自分の不安な気持ちを理解されたと”実感できた”とき、お子さんは「不安がっている自分でもいいんだ」と思え、より具体的なことを話してくれます。また、この経験の積み重ねが、不安や緊張を徐々に軽減していってくれるのです。
心理カウンセラー。東京港区で小学校のスクールカウンセラーを3校歴任。現在は子育ての悩みなどの教育相談、子どものカウンセリング、子育て勉強会・ワークショップなどを実施。高校生と中学生の2児の父親でもある。趣味はキャンプ・ジョギング。
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