スクスク親子お悩み相談08
このコーナーでは、鈴木先生が心理カウンセラー、スクールカウンセラーの経験から、お母さんや子どもたちの悩みにお答えします。学校でのこと、心配ごとや悩みごとはありませんか?
「外出先でのしつけの仕方について教えてください」
焦らず、粘り強く、繰り返し教え伝えることが大切。
電車の中や公共の場でお子さんが騒いでしまうというケースはよくありますね。またそれを怒鳴ってしまい、楽しい筈の旅行を心から楽しめないというお母さんのお気持ちも大変よくわかります。親御さんとしてはお子さんのしつけということについて、いろいろ考えさせられることも多いのでしょう。
では、この「しつけ」というものは、どのようになされるのが適切なのでしょうか。
しつけとは、社会のルール、つまり周囲への配慮やエチケットを「教え、伝える」ことです。一般的にしつけというと「厳しくする」という発想に結びつけがちですが、しつけというのは厳しく接することではありません。むしろ穏やかに、くり返し伝えることがポイントとなります。公共の場でしつけを行うことは、簡単なことではありませんが、一度でわからせようとか、その場ですぐ出来るようにさせようと焦らないことが肝心です。ましてや親御さんの感情に任せて怒ることは「しつけ」とはいえません。お子さんが出来るようになるまで粘り強く、くり返し教えていくことで、大人の社会的常識を「受け継いでもらう」という気持ちで行うとよいでしょう。
「しつけ」ということに関して言えるのは、「何を言い聞かせるか」よりも「親自身がどういう態度で生活しているか」の方に子どもは影響を受けるということです。自分の親が普段からどんな言葉を使っていて、どういう姿勢で生きているのかに子どもは影響されていきます。いわゆる「親の背中を見て育つ」という言葉は本当です。親御さんが普段から家のなかで「おはよう」「ありがとう」「ごめんね」「おかえり」「おやすみ」といったあいさつや言葉がけを大切にしていれば、お子さんもあいさつや言葉というものを大切にするようになります。子どもは親が「何を言ったか」よりも「どう生活(行動)しているか」により影響を受け、「どんな気持ちで生活しているか」により、さらに強く影響を受けていくわけです。笑顔の絶えない家庭というのは、親御さんに笑顔が絶えないということであり、暖かい家庭というのは、親御さんの心がいつも優しさに包まれているということだといえるでしょう。
心理カウンセラー。東京港区で小学校のスクールカウンセラーを3校歴任。現在は子育ての悩みなどの教育相談、子どものカウンセリング、子育て勉強会・ワークショップなどを実施。高校生と中学生の2児の父親でもある。趣味はキャンプ・ジョギング。
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