スクスク親子お悩み相談11
このコーナーでは、児玉先生が心理カウンセラーの経験から、お母さんや子どもたちの悩みにお答えします。学校でのこと、心配ごとや悩みごとはありませんか?
怒りの正体は「頑張ってきた歴史」
前回、お子さんへの叱り方について、本サイト、及びメルマガにてご紹介させていただきました。
しかし効果的な叱り方を知っても、実践はなかなか難しいことです。
「ついカッとなって言ってしまった」
「感情的に叱ってしまう」
「怒りが出てきてしまって抑えられない」
といった、お母さんのお悩みを頂くことは多いです。
どうやって自分の感情と向き合っていけば良いのでしょうか。
今回は、心理学的な側面から、ヒントをご提供させて頂きたいと思います。
こんなこと、ありませんか?
ある朝、
「時間がない!急いで!!」
と、お子さんと一緒にあわてて家を出た後で、
「ママ・・・、忘れ物した」
「またぁ!?だから昨日のうちに用意しときなさい!って言ったでしょ!」
と、イライラ。
このような時、お子さんの気持ちを考えて、言葉をかけるのはかなり難しいことですよね。
心理学的に、ひとつおススメの解決策は、
「自分自身の怒りの正体を知ること」
です。
まずはじめに、怒りを感じた自分を責めるのではなく、怒っている自分を認めてあげることから始めます。
怒りを感じる人は短気な人ではありません。
「頑張ってきた人」なのです。
なぜなら怒りの正体は
「自分はそうならないように、こんなに必死で頑張ってきたのに、なぜあなたはそうなるのか」という感情から生まれています。
心理学では、これを「禁止令」と呼んでいます。
自分自身に対して、これをしてはいけない、と「禁止」していることを相手がしている時に湧き出る感情、それが「怒り」です。
例えばお子さんが、片付けや宿題など、約束したことを守らないとき。
そんな時にイライラするのは、あなたがちゃんと約束を守らないと!と頑張って生きてきた人だから。
そんなとき、こう自分に問いかけてみてください。
「私はこの事に、強い怒りを感じるほど、何を頑張ってきたのだろう?」
そうすると、怒りを感じるようになったきっかけの出来事や情景が浮かび上がってきます。
(このあたりはカウンセリングなどで、時間をかけて、じっくりと振り返っていくのがおススメです)
出来事や情景が見えてきたら、怒りで相手を責める代わりに、自分に対して、
「今まで頑張ってきてくれてありがとう
もう十分頑張ってきたから大丈夫だよ」
という、『ねぎらう』『認める』を繰り返していきます。
これを続けていくと、同じような状況に遭遇したとき、込み上げてくる怒りが、落ち着いていきます。
「こんなに怒るほど頑張ってきたんだね」
と自分を認める言葉を心の中で言ってみてください。
相手に向ける感情や行動はすべて、「自身に向けている感情や行動」が映し出されたものです。
怒ってばっかりだな、という時は、自分自身に『ダメ』をたくさん出していますよ、のサインです。
つまり、
お子さんが自己肯定感を持てるかどうかは、親の自己肯定感が何よりも大切です。
お母さんが自分を許し、愛せるようになれるほど、お子さんも自分を尊重し、他者をも尊重できる人にスクスク育っていくはずです。
イライラするとき、まずはお母さんが自分に優しくしてみる、ということをぜひ意識してみてください。
■オフィシャルサイト
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